The human foot is a masterpiece of engineering and a work of art. – Leonardo da Vinci
人間の足は工学上の最高傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である ー レオナルド・ダ・ヴィンチ
この言葉は、人間の足に関して言えば、これ以上ないほど正確な表現です。
米国病医になるには、専門の医学部で4年間勉強し、さらに3年間の研修医トレーニングが必要です。このことからも、足がいかに複雑な部位であるかがわかるでしょう!
今回はいくつか足に関するおもしろい事実をお伝えします。さて皆さんはいくつご存じでしょうか?
足の事実①:赤ちゃんと扁平足
赤ちゃんは生まれた時、足が軟骨でてきていて、骨もまだない状態で生まれてくることをご存じでしょうか? このかわいい扁平足は、年齢とともに成長し、強化され、7歳ごろには足のアーチが形成されます。
足の事実②:舟状骨はアーチの高さ
生まれた時は足の大部分は軟骨ですが、それぞれの骨はその骨の中で骨化を始めます。最初に骨化し始める骨は何でしょう? ……正解は踵の骨! 胎内生後6か月から始まります。そこから足の骨の骨化は、5歳まで続きます。足の骨の中で最後に完全に骨化するのが舟状骨(しゅうじょうこつ)で、骨化が始まるのは4歳になってからなのです。舟状骨は何がそんなに特別なのでしょうか? 答えは、舟状骨はアーチを安定させる後脛骨筋が付着している骨で、アーチの高さを決定するものなのです。
足の事実③:痕跡筋である足底筋
霊長類では重要な足底屈筋も、人間にとっては単なる痕跡筋に過ぎません。足底筋は、ふくらはぎの筋肉と一緒に脚の後ろにあり、アキレス腱の横で踵骨についています。人口の10%ぐらいはこの筋肉がなく、あっても腱鞘や腱の繊維があるだけです。足底筋の役割は、運動機能ではなく感覚であることが、死体を使った実験により明らかになりつつあります。
足の事実④:振動は歩行の感覚部分の原動力
足裏の皮膚には特殊な神経が集まっていて、足の下にある地面の情報を読み取ります。これらの特殊な神経は、機械受容器と呼ばれ、感触、皮膚の伸び、振動などの刺激に敏感に反応します。足のすべての機械受容器のうち、70%が “振動” に敏感なんです! では、私たちはどのように振動を感じているのでしょうか? それは歩く時です。一歩一歩、足を地面に踏み込むことで、床反力が発生し、それが振動として認識されます。
足の事実⑤:神経可塑性のピークは4歳
私たちが生まれた時、脳は周囲の世界を活発に処理し、自分自身や他者とのつながり、関係を築いていこうとしています。運動面では、神経系は、ハイハイ、立ち上がり、そして最終的には歩くことを学ぶための必然的なステップを踏んでいるのです。この神経発達期は、神経可塑性、つまり脳が成長する能力によって支えられています。この活発で神経可塑的な時期は、私たちが歩けるようになる時期と重なり、4歳ごろに獲得できる子供の歩行と並行しています。
いかがでしょう。皆さんがご存知だったものはありますか?
“最高の芸術作品”とレオナルドが謳うように、足って思っている以上に複雑。
でもおもしろい! そして深いのです!