足の指、まっすぐ伸びていますか?
皆さんの中には、何らかの足の指の拘縮(こうしゅく)を経験している方も少なくないかもしれません。サンダルの季節にこそしばしば気になりますが、足の指の変形は美容の問題以上のものです。
足の指のアライメントと強さは、バランス、踏み込み、加速、ジャンプの動作において、重要な役割を果たします。
足趾が固まり始めると、足裏の接地と安定性が失われます。てこの原理で言えば、つま先が長くまっすぐであればあるほど、より大きな力を発揮することができます。つまり、私たちの足の機能と動きのためにはまっすぐ伸びた指が理想的なのです。
足指が使えていないと、なぜ問題?
普段あまり意識することのない足指ですが、実は体のバランスや姿勢、膝・腰などの不調にも大きく関わっています。
足指1本1本は小さな骨や筋肉、腱、靭帯がつながってできており、それぞれの足指がきちんと機能していることが大切です。
足指を使って地面をしっかり捉えることで、姿勢が安定し、日常生活での動作もスムーズに。また、バランス力が高まることで転倒予防にもつながります。
逆に、足指がうまく使えない状態では、足首の安定性が低下し、その影響が膝や股関節へと広がり、全身の動きにまで悪影響を及ぼします。
さらに、姿勢が安定しないと膝や腰に負荷がかかりやすくなり、腰痛や膝痛を引き起こすリスクも高まってしまうのです。足指がきちんと使えているか、次の5つのセルフチェックで簡単に確認してみましょう。
【足指セルフチェック】
☑︎ 足の指でグー・チョキ・パーができますか?
☑︎ 片足立ちをしたとき、足指がしっかり床を捉えていますか?
☑︎ 歩くとき、足指を使って地面を蹴り出せていますか?
☑︎ 足指を1本ずつ独立して動かすことができますか?
☑︎ 足指の間に指(手の指)がスムーズに入りますか?
これらがスムーズにできない場合、足指がうまく使えていないサインかもしれません。
それでは、足の指の拘縮の最も一般的な種類と、種類に応じたケア・治療法をみていきましょう。
ハンマートゥ(金槌型)、マレットトゥ(木槌型)、クロートゥ(かぎ爪型)
足の指のどの関節が拘縮しているかによって、主に3つのタイプがあります。
足指の第一関節だけが拘縮している場合、これはハンマートゥと呼ばれます。これは、槌指(つちゆび)、屈み指(かがみゆび)ともいわれ、足病医が診る最も一般的な拘縮タイプです。
足指の第二関節だけが拘縮している場合、これはマレットトゥと呼ばれます。これは第2趾が長い人によく見られ、モートン病とも呼ばれます。
足の指の両方の関節が拘縮している場合は、クロートゥと呼ばれます。マレットトゥ、クロートゥともに、足の指の先端にタコができたり、細かい衝撃により足の爪が厚くなったりすることがあります。
柔軟な変形 vs. 硬い変形
足の指の拘縮のタイプがわかったら、次はそれが柔軟な変形なのか、硬い変形なのかを見極める必要があります。
まず、足の指を掴んで、拘縮をまっすぐにしようとしてみます。つま先はまっすぐ引っ張られますが、手を離すとすぐにまた拘縮してしまいますか? もしそうなら、これは柔軟な変形とみなされ、元に戻せる可能性があります。
足の指をまっすぐに引っ張ってみても動かない場合は、硬直性拘縮とされています。これは、足の指の拘縮が進行して関節炎を伴うもので、構造的な変形といえます。残念ながら、硬直性拘縮をまっすぐにするためには、手術しかありません。
伸筋優位 vs. 屈筋優位
足の指の拘縮を正確に治療するためには、最後の分類を行う必要があります。これは、どの筋肉が優位で、そもそも拘縮の原因となっているかに関係するものです。
どのタイプに当てはまるかを判断するには?
まず両足で立ちます。
ショートフットエクササイズ(※下記動画参照)のように、つま先を地面に押し付けます。つま先が収縮しているのがわかりますか?
つま先をリラックスさせ、今度はヒールレイズをします。つま先が収縮しているのがわかりますか?
もしどちらか、または両方に「はい」と答えた方は、屈筋優位の拘縮があります。これは長趾屈筋が小さな内在筋に勝っていることを意味します。
伸筋優位がどうか判断するには、もう一度両足で立ち、今度はスクワットをします。
しゃがむと、足の指が縮んだり、地面から浮いたりしませんか?
足の力を抜いて、今度はゆっくりとその場で足踏みを始めてください。つま先をみましょう。
足を上げるたびに、つま先が上がったり下がったりしていませんか?
最後の2つのテストのいずれかに「はい」と答えが場合、これは伸筋優位の状態です。これは、あなたの長趾伸筋が小指の内在筋に勝っていることを意味します。
▼ナボソ創設者Dr. エミリーによる「ショートフットエクササイズ」解説動画
タイプ別ケア方法
最も効果的な足指の拘縮治療法は、あなたがどのタイプの変形を患っているかによって決まります。
以下は、足の指のバランスを整えるための簡単なガイドラインです。
タイプ①:柔軟性のある屈筋優位の拘縮
- 脚の裏側の筋肉をほぐす
- 足裏の筋肉をほぐす
- 足指セパレーターをつける
- ショートフットエクササイズで足の内在筋を活性化し連動させる
タイプ②:柔軟性のある伸筋優位の拘縮
- 脚の前面の筋肉をほぐす
- 足の裏の筋肉をほぐす
- 足指セパレーターをつける
- ショートフットエクササイズで足の内在筋を活性化し連動させる
タイプ③:硬いハンマートゥもしくはクロートゥ
- 足指セパレーターをつける
- 足裏の筋肉をほぐす
- ショートフットエクササイズで足の内在筋を活性化し連動させる
足指のケアには、普段から足指を広げたり、動かしたりすることがとても大切です。
足指セパレーターはご自身に合ったものを選んで取り入れてみましょう。ナボソでも、足指の自然な広がりをサポートする足指セパレーター「ナボソ スプレイ」をご用意しています。
▼ナボソ スプレイの使い方解説動画はこちら
重要なことは、どんなケアや治療をするにしても一貫性を保ち、継続すること。
もし自分がどのタイプの変形なのかわからない場合は、整形外科医もしくは足の専門医に足の機能評価をしてもらいましょう。
最も一般的な拘縮タイプとされるハンマートゥは足に合わない靴を履くことで、靴の中で足が前にずれて指が押し付けられ、指が曲がってしまうことが大きな原因のひとつ。特に中高年女性に多く、足の人差し指が親指よりも長い方は注意が必要といわれています。
初期段階では自然に戻ることもありますが、長期間負担がかかり続けると、指が元に戻らなくなり、痛みやタコ、足裏のトラブルを引き起こすことも。
今こそ見直したい私たちの足の健康。日常生活の中で足指を意識し、早めに対策をとることが大切です。
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