4月 30, 2025 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 目的にあわせたナボソ活用術, 足・手・からだの健康
足の内在筋、きちんと使えていますか?
足の健康は、日常の歩行や姿勢だけでなく、怪我予防やスポーツパフォーマンスにも大きな影響を与えます。
特に「ショートフットエクササイズ」は、足のアーチ(土踏まず)を支える内在筋を鍛え、足のアライメントを整える効果が期待できるシンプルかつ効果的なエクササイズとして、いま注目を集めています。
この記事では、ショートフットエクササイズとは何か、どんな人におすすめか、そして得られる効果について詳しく解説します。
さらに、ナボソの公式YouTubeで新たに公開されたDr.エミリーによる詳しい解説動画もご紹介します!
足の筋力が衰えるとどうなる?
足の筋力は、足のアライメントを維持し、ダイナミックな動きの際に衝撃力を分散させるために不可欠な要素です。
クッション性の高い靴や、土踏まずを支える硬いインソールのような “アーチサポート” を使い続けると、足の内在筋が弱り、これらの筋肉の脱神経(神経の遮断)を引き起こす可能性があります。

足の筋力が衰えると、足底筋膜炎やアーチの崩れ、疲労骨折など様々な足のトラブルを引き起こし、さらにアーチの崩れは扁平足を、扁平足はセットで起こりやすい外反母趾を誘発します。
その解決策は?
足を強化する方法として、まずひとつは正しい靴を選ぶこと。自分の足の形に合っていて、足の自然な動きを制限しない柔軟性の高い靴がオススメです。理想を言えば、足指が靴の中で自由に広がると良いですね。
さらにもうひとつ。靴を変える以外に毎日できること! ここで「フットエクササイズ」の出番です。
「ショートフットエクササイズ」とは
ショートフットエクササイズとは、足裏の内在筋(特に母趾外転筋)を意識的に使い、足のアーチを引き上げるトレーニングです。
足のエクササイズはたくさんありますが、2016年のGoodingらによる研究では、4種類のフットエクササイズ(ショートフット、トーアウトタップ、ビッグトー(親指)リフト、レッサーディジット(親指以外)リフト)をT2 MRI(縦緩和時間強調画像)で比較し、各エクササイズを実施した後の母趾外転筋、短趾屈筋、小趾外転筋、足底方形筋、短小趾屈筋、母趾内転筋(斜頭)、短母趾屈筋、虫様筋と骨間筋の筋活性化の割合を調べました。
4つのフットエクササイズの中で最も内在筋活性化につながったのはどれでしょう?……正解はショートフットエクササイズでした!(ちなみに、僅差の2番目は「トータップ(つま先)エクササイズ」でした。しかし、このエクササイズはショートフットに比べて少々難しいのが難点です)
特別な道具も必要なく、どこでも手軽にできるこの運動は、リハビリの現場からトップアスリートまで幅広く取り入れられています。
※プロのラグビーチーム、リコーブラックラムズ東京が、ナボソ マットを使ってショートフットエクササイズを実践している様子を紹介した動画はこちら
▶【My Naboso Story➁】ラグビー🏉ブラックラムズ東京 Chap.3「NABOSOを使ったコンディショニングやトレーニングについて」(前編)
このエクササイズは、ナボソで人気があるエクササイズのひとつで、重要な役割をもつ母趾外転筋の筋活動を活性化するほか、バランス能力の改善も知られています。(※内側縦アーチの安定と外反母趾の予防に役割を果たす内在筋が母趾外転筋)近年では、日本の理学療法分野でも注目が高まり、転倒予防や足部疾患(外反母趾や扁平足など)へのアプローチにも効果的な運動として紹介されています。
ショートフットエクササイズで期待できる効果
足の内在筋を強化し、アーチ(土踏まず)を支える
足のアライメントを整え、正しい立ち方・歩き方をサポート
バランス能力の向上(転倒リスクの低減)
外反母趾・扁平足の進行予防(サポート的役割)
足首・膝・股関節への負担軽減
スポーツパフォーマンス向上(特にランニングやジャンプ系競技)
リハビリや怪我予防にも有効
「足元から全身を整える」ことの重要性は、多くの研究でも裏付けられています。
特に、足指や足裏の小さな筋肉(内在筋)を鍛えることが、転倒防止や姿勢改善に直結することが近年ますます明らかになっています。
新たに公開!ショートフットエクササイズ徹底解説動画
そしてこの度、リクエスト多数に応えて、Dr.エミリーによる最新のショートフットエクササイズ動画をナボソ公式YouTubeにて公開しました!
🖐 動画ではこんなことがわかります:
・正しいフォームと意識すべきポイント
・よくある間違いと修正方法
・さらに効果を高めるワンポイントアドバイス
etc…
ぜひ一緒に実践して、足元から全身の安定性を高めていきましょう!
▶ 【基本×重要🔥】足から全身を整える!「ショートフットエクササイズ」徹底解説【初心者から上級者まで】
ショートフットエクササイズはこんな方におすすめ!
✔足の健康を維持したい方
✔外反母趾・扁平足が気になる方
✔歩行やバランスの安定感を高めたい方
✔怪我(足首捻挫など)予防を目指す方
✔高齢期に向けた転倒予防をしたい方
✔ランナーやスポーツ愛好家、プロアスリート
年齢や運動レベルに関わらず、高齢者の筋トレ代わりにも、アスリートのパフォーマンス向上にも役立つエクササイズです。
より効果を高めたい方は
さらに、ショートフットエクササイズの効果をサポートするアイテムとして、ナボソでは「スプレイ」や「フットウェッジ」などもご用意しています。

ナボソ スプレイ

ナボソ フットウェッジ
足指同士を自然な位置に整え、エクササイズ効果を高めたい方には、ぜひ組み合わせての使用もおすすめです!
▶「ナボソ フットウェッジ」の動画をもっと観る
まとめ
ショートフットエクササイズは、足の内在筋を鍛え、足のアーチを引き上げ、全身の安定性を高めるシンプルかつ効果的な運動です。
「歩行」「転倒防止」「スポーツパフォーマンス向上」など、年齢やレベルを問わず、誰もが取り入れやすいのも大きな魅力。
新しくなったナボソの公式解説動画を参考に、ぜひ今日から始めてみてください!
健康な足づくりは、健康な体づくりへの第一歩です。
(参照)
2週間のショートフットエクササイズが動的姿勢制御と足底表在感覚に及ぼす影響
一般成人における足部運動課題時の筋活動と内側縦アーチの挙動について-母趾外転筋・短趾屈筋・長趾屈筋を被験筋とした検討- | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
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8月 2, 2024 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
バスケと捻挫
年齢やスキルに関わらず、バスケットボール選手が共通して抱く夢――バスケットボールの世界で成功すること。それには多くの肉体的、精神的なチャレンジが必要ですが、とりわけキャリアを狂わせ、夢をあきらめさせる大きな障害となっているのが“足首の捻挫”です。
「足首の捻挫は、NBAで最も多い怪我です。NBA選手は、鋭いカットやジャンプで足首に大きな負担をかけているからです」- NBAドクター、リチャード・ファーケル医師
このような怪我に対処するべく最先端のソリューションとして登場したナボソ キネシスボード。この記事では、バスケットボールがプレイヤーの足首に与える重い負担やトップアスリートたちが実践する革新的なリカバリー方法とともに、一般のアスリートに向けたナボソのような最新技術を活用する“戦略的”な方法を紹介します。
高いリスクとバスケットボール: 若手選手たちの夢と現実
プロのバスケットボール選手になること――それは世界中の若いアスリートが追い求める夢です。彼らは日々練習に励み、コートで技術を磨き、いつかアメリカやヨーロッパのトップリーグで活躍することを夢見ています。しかし、それは比喩的にも物理的にも、高リスクなゲームです。絶え間ないハイジャンプ、急なストップからの爆速スピード、片足でバランスを取りながらの急激な方向転換など、バスケットボールは足首を痛めるリスク満載のスポーツ。一歩の踏み間違いや着地の失敗が足首の捻挫につながり、アスリートのキャリアの進退を決めたり、終わらせたりする可能性さえあります。
特にアメリカでは、低所得層の出身者を含む多くの若者にとって、バスケットボールは人生の軌道を大きく変える意味のあるスタートを提供してくれるもの。プロとして成功するキャリアの魅力は、単にバスケットボールが好きというだけでなく、家族を苦しめていた社会経済的な制約から解放される、かつてない機会を与えてくれるものなのです。
多くの点で、このゲームは多くの才能ある選手やそのコミュニティにとって経済的な希望の光となり、逆境を乗り越える原動力となります。それゆえ、ゲームによる肉体的なストレスやそれに伴う怪我は、単に個人の成績やチームの順位にとどまらず、夢や未来が絡み合った道のりに関わるものとなります。足首の怪我はもはや単なる挫折ではなく、人生を変える旅への脅威ともなるのです。
ヤオ・ミンのキャリアを終わらせた厳しい現実
足首の怪我が選手に与える影響の厳しい例として、バスケットボールの伝説である姚明(ヤオ・ミン)のケースが挙げられます。身長7フィート6インチ(約229cm)の姚は、コート上で圧倒的な存在感を示していましたが、そのキャリアは常に怪我に悩まされていました。特に、左足首の捻挫がストレス骨折を引き起こし、無期限の離脱を余儀なくされ、最終的には早期引退に追い込まれました。
2002年にヒューストン・ロケッツからドラフト全体1位で指名されたヤオは、瞬く間にスター選手となり、チームに欠かせない重要な選手となりました。キャリアの中で8回のオールスター選出を果たし、ゴール下での圧倒的なパフォーマンスを披露。彼のリーダーシップの下、ロケッツは複数の勝利シーズンを経験し、4回のプレーオフ進出を果たしました。この期間、2007-2008シーズンの22連勝という記憶に残る記録もあり、これはNBA史上4番目に長い連勝記録となっています。
しかし、悲劇的にもヤオの前途有望なキャリアは怪我のためにわずか8年で突然終わりを迎えました。31歳という若さで引退を決断せざるを得なかったのです。これを比較すると、NBA選手の一般的な引退年齢は34歳前後。スポーツ医学の進歩によりその年齢は上昇傾向にあり、レブロン・ジェームズのように40歳になろうとしている選手もいます。つまり、ヤオは少なくともあと3年間はコートで活躍し続けることができたかもしれません。
最後のフルシーズンでのヤオの活躍は、平均20得点以上、10リバウンド以上を記録し、100.9というエリートレベルの防御率を誇るなど、特筆すべきものでした。年俸を1,500万ドル(前年に同じような成績を収めた時の収入を反映した額)に少し下げ、あと3年現役を続ければ、さらに4,500万ドルを手にする可能性もありました。
ヤオ・ミンのような成功や富を手にした選手と比べて、まだその域に達していない選手にとって、経済的な打撃はさらに壊滅的なものとなり得ます。新進気鋭のバスケットボール選手が、致命的な怪我により離脱すると、長年の夢が破れるだけでなく、深刻な経済的困難に直面する可能性があります。こうした冷厳な計算は、プロスポーツの世界における高いリスクを浮き彫りにし、怪我が身体的・感情的な困難だけでなく、経済的にも重大な影響を及ぼすことを強調しています。この視点から、しっかりとした怪我の予防とリカバリー戦略の重要性が改めて浮き彫りになります。
バスケットボールの足首への負担を理解する
バスケットボールはダイナミックで激しいスポーツであることを考えると、足首の怪我がスポーツに関連した怪我の大部分を占めるのも不思議ではありません。これらの怪我の頻度と重症度は、スポーツの身体的要求に対する足首関節のもろさを強調しています。
2021年の学術雑誌(※)によると、バスケットボールの怪我の約21.9%は足首の捻挫です。この統計は、ユースリーグからプロレベルに至るまでの足首の怪我の多さとともに効果的なリカバリー方法の必要性を示しています。(※Orthop Rev (Pavia). 2021 Mar 31)
このような怪我への不適切なケアや管理に伴うリスクは深刻です。不適切または誤った怪我のリハビリは、再発性の捻挫、慢性的な足首の不安定性、ひいてはアスリートのキャリアの早期終了につながる可能性があります。
ナボソの足首に関する研究
ナボソは、足首の重要性を深く理解しています。最適なパフォーマンスを生み出すための安定性、可動性、そしてパワーの科学的根拠……これらの側面のいずれかが損なわれると、足首の機能に大きな影響を及ぼしかねません。
足首は、主に固有受容感覚と機械受容感覚の2つの神経系によって制御されています。固有受容感覚とは、簡単に言えば、アスリートが自分の身体が空間のどこにあるのか、また動作の中でどのような力を発揮しているのかを感じることです。
機械受容感覚と呼ばれる神経は、足の裏にあります。これらの特殊な神経終末は、振動の感知、全体的なバランス、そして足の強さに関連し、足首の安定性を維持する上で重要な役割を担っています。
トップアスリートのリカバリー法:足首の怪我へのアプローチ
最高レベルのプレーにおいて、NBAの医療チームは足首の科学を理解し、高度に個別化されたトレーニングとリカバリー戦略を採用しています。怪我の期間を短縮し、パフォーマンスを向上させ、アスリートのキャリアを長くするためには、このレベルの注意が欠かせません。
NBAのリハビリで使用されている基礎的な技術のひとつに、バランスツール、または一般的に「バランスボード」として知られているものがあります。NBAのメディカルトレーナーは、選手たちに片足でのバランス練習をさせるのが一般的で、選手は片足をバランスボードにしっかりと置き、もう片方の足を上げ10秒~30秒の感覚でバランスをキープ。このアプローチは、身体の固有感覚を強化し、バランスコントロールと爆発的な動きのパフォーマンスを向上させます。
バランスボードにはまた、マイクロワブルシステムという効果もあります。この細かい揺れは、体幹と下半身の筋肉を刺激し、足首の捻挫の予防とリカバリーに欠かせない筋肉を鍛え、強くさせます。レベルに関係なく、バスケットボールプレーヤーはこの足首へのアプローチを活用すべきですが、プロのような医療環境がないまま放置されていることが多いのです。そんな中、足の固有受容神経と機械受容神経に着目したバランスボードがナボソから発売されました。ナボソ キネシスボードです。
すべての人にトップアスリートのリカバリーを: ナボソ キネシスボード
ナボソ キネシスボードは、最大限のリカバリーを可能にするミニマルなテクノロジーです。その洗練された頑丈なデザインは、NBAメディカルチームの原則に沿いつつ、あらゆるレベルのアスリートにとって実現可能なオプションとなっています。
キネシスボードのユニークさは、その「マイクロワブルシステム」にあります。これは、細かな揺れを発生させて一貫した不安定性を生み出すことで、体幹と下半身の筋肉を刺激しながら足首の神経を刺激します。
また、キネシスボードは「デュアルセンサリーアプローチ」と呼ばれる2つの感覚刺激を組み合わせるユニークなバランスボード。機械受容感覚アプローチ(テクスチャー表面で足裏を刺激)と固有受容感覚アプローチ(微細な揺れにより足の筋肉等にアプローチ)の両方を備えています。このデザインにより、身体の安定性と、感覚のリカバリーがサポートされます。これによりリカバリーの加速、パフォーマンスの向上、将来の足首の怪我のリスク軽減が期待できます。
またナボソでは、キネシスボードの使用を最適化するために考案された一連のエクササイズも用意しています。
例えば、アスリートにはキネシスボードと一緒に足指を整えるツールを使用することが勧められています。このようなエクササイズは、試合中の絶え間ない動きや体重移動に似た状態を再現し、ユーザーのバランス感覚、固有受容感覚、そして全体的な運動感覚をサポートします。
アスリートとしての未来への投資
すべてのバスケットボール選手、コーチ、愛好家の皆さんにとって、ナボソ キネシスボードはアスリートとしての寿命を延ばすための重要な投資と考えるべきでしょう。ナボソのテクノロジーは、怪我の治療と予防の両面からサポートします。ナボソのバランスボードの上に立てば、リカバリーとパフォーマンス向上のために同じような練習をしているNBA選手に一歩近づくことができるかもしれません。さらにナボソは、予防的ウェルネスとアスリートのリカバリーを誰でも利用しやすくすることに尽力していることから、キネシスボードを14,300円(税込)という価格で提供しています。
自分の健康は、自分の手に
最後に、バスケットボールに限らず、スポーツに携わるすべての人にとって、スキルや才能がその一翼を担う一方で、アスリートとしての健康を優先する重要性を忘れてはいけません。バスケットボールの夢を追いかけることは素晴らしいですが、身体の健康を損なっては意味がありません。予防策とプロレベルのリカバリーが、強固で充実したアスリートキャリアを築く基礎となります。ナボソとそのテクノロジーは、これらの基礎がすべての人の手の届くところにあることを目指しています。
(参考)
https://www.mdpi.com/2073-431X/12/12/261
Https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8077287/
Https://olympics.com/en/news/all-time-list-nba-longest-winning-streaks
Https://www.spotrac.com/nba/houston-rockets/yao-ming-2402/cash-earnings/
Https://gitnux.org/average-nba-career-length/
5月 10, 2024 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
回復と循環の複雑な関係性
私は足病医として、また動作のスペシャリストとして、フィットネスだけでなく総合的な健康を目指す人々へのサポートに情熱を注いでいます。この記事では、循環と回復について掘り下げ、エクササイズ後の回復を最適化する秘訣をお伝えしたいと思います。
循環システム
何よりもまず、疲労回復のプロセスにおいて重要な役割を果たす循環系について説明しましょう。
心臓、血管、血液で構成される循環系は、酸素と栄養が体の隅々まで行き渡るようにするために極めて重要な役割を果たしています。大動脈や大腿動脈のような太い血管だけでなく、毛細血管と呼ばれる細い血管もあります。このシステムのうち、太い血管はマクロ循環系と呼ばれ、細い血管は微小(ミクロ)循環系と呼ばれます。
運動中、心臓は休むことなく血液を送り出し、よく働く筋肉に酸素を送り込み、代謝による老廃物を運び出します。この組織的な働きは、最大のパフォーマンスと総合的な健康のために不可欠です。
しかし、最後のエクササイズを終えたら終了!……ではありません。
回復のための循環
運動後は、循環が回復の中心的役割を果たします。心拍数が徐々にベースラインに戻るにつれて、循環系はその役割を続け、ストレスを受けた筋肉の修復と補給をサポートします。これは、注意を払ってケアすることが必要な生理学的プロセスの調和です。
エクササイズ後の循環の重要な要素のひとつにクールダウンがあります。ここで重要なのが、心拍数を徐々に下げていくこと。この緩やかな下降により、身体にショックを与えることなく、高強度の活動から安静時の状態に移行することができます。軽い有酸素運動やストレッチをクールダウンに取り入れ、循環系がベースラインに戻るのをサポートしましょう。
足に特化したリカバリー
さて、私の一番の関心事である、回復時の足の健康について話しましょう。
足の血管の複雑なネットワークは、血行において極めて重要な役割を果たしています。エクササイズ後に足を上げることで、むくみを解消するためにアプローチし、心臓に戻る血流を促進するサポートができます。足首を回したり、つま先立ちのエクササイズを取り入れることで、下肢の循環を促し、回復への全体的なアプローチを確保しましょう。
エクササイズ後の回復に欠かせないもう1つの秘訣は、水分補給です。循環系は、栄養素を効率よく運ぶために、適切な水分の供給に依存しています。水や電解質が豊富なドリンクを飲むことで失われた水分を補給することは不可欠です。運動中だけでなく、運動後も適切な水分補給を心がけ、一日を通してコンスタントに水分を摂取しましょう。
循環の先にある、回復のメカニズムを探ってみましょう。回復において過小評価されがちなのが、休養の役割です。身体の修復と再構築には時間が必要です。睡眠はこのプロセスの隠れたヒーローなのです。循環系が滞りなく働き、最適な回復を促せるよう、一晩に7~9時間の質の高い睡眠を目指しましょう。
セルフケアの見直しを
さらに、筋膜リリースのテクニックをルーティーンに取り入れることも検討しましょう。フォームローラーやマッサージボールのようなツールは、筋肉の硬直や筋膜の制限のある部分をターゲットにすることができ、血流を促進するサポート、回復プロセスを加速させてくれます。ナボソのニューロボールもオススメです。信じてほしいのは、あなたの身体は、こうした日々の小さな意図的セルフケアに感謝するということです。

結論として、循環と回復の関係性やバランスは、学ぶ価値のある極めて重要なものです。意識的なクールダウン、フットケア、水分補給、そして回復のテクニックを取り入れて循環系を健全に整えることで、パフォーマンスとウェルビーイングが調和して共存するフィットネスの世界への扉が開かれます。ワークアウト後の回復を最適化し、より健康で、幸せな未来を手に入れましょう!
3月 12, 2024 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 目的にあわせたナボソ活用術
国内最大規模の市民マラソン「東京マラソン」。3月3日に行われ、17回目を迎えた今年はおよそ3万8000人のランナーたちが東京を駆け抜けました。2007 年に東京マラソンが初開催されて以降、日本のランニング人口は増え続け、ここ数年では500万人以上の人が週に1回はランニングを楽しんでいるといいます。*1
週末は決まってランニングで汗を流すという人から、各地の大会にエントリーする熱心なマラソンランナーまで、今回は「少しでもランニングのパフォーマンスを向上したい」という人に向けたお話です。
理想のランニングパフォーマンスは、適切なランニング・テクニックと心肺持久力に関連していることが多いです。が、もしそこにパフォーマンスを向上させるために見過ごされがちな“秘訣”があると言ったら? そう、「強い足」のことです。
ランニング特有の条件から、足が丈夫であることは直感的なことのように思えますが、では足を鍛えている人はどれくらいいるでしょうか? 私の推測では、それほど多くはないでしょう。
そこで、ランニングのウォーミングアップに簡単に取り入れることができ、パフォーマンスを向上させるだけでなく、足の痛みやランニングに関連する怪我予防にも効果的な足のエクササイズをご紹介します。
★足のアーチを強化する簡単エクササイズ
ランニングだけでなく、足を使うさまざまなスポーツで足裏の感覚を養うためのトレーニングが取り入れられ、プロのアスリートも実践しています。フットリリースはもちろん、ショートフットエクササイズはベーシックながら重要な足のトレーニングです。
★リコーブラックラムズ東京「NABOSOを使ったコンディショニングやトレーニングについて」
※0:53~ 基本のフットリリース
1:53~ ショートフットエクササイズ
足の強化は、健康的な足づくりの第一歩に過ぎません。走行距離を伸ばすことだけでなく、足をリカバリーすることもお忘れなく! シンプルな5分間のフットリリースエクササイズは、足の筋肉への過剰なストレスを和らげ、翌日のランニングに備えるための素晴らしい方法です。
★ナボソ ニューロボールを使った基本のフットリリース
29以上の筋肉があり、これらの筋肉が連動して足の着地、衝撃吸収、エネルギー伝達を調整している私たちの足。スポーツはもちろん、立つ、歩くなど毎日の基本動作になくてはならない大事な役割を担うパーツです。
日々のメンテナンスを習慣に、健康な足づくりを心がけていきたいですね。
*1 東京マラソン2024
10月 5, 2023 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 目的にあわせたナボソ活用術
転倒の減少、バランストレーニング、身体認識トレーニングはすべて、団塊世代(概ね1950年から1964年頃までに生まれた世代)や、多発性硬化症、パーキンソン病、神経障害などの慢性的な神経疾患を抱える人々にとって重要なテーマです。
片足でバランスを取れるということは、スキルであるだけでなく、歩くのに必要不可欠なこと。実際、片足で立つことができたからこそ、二足歩行が進化し、現在のような歩行が可能になったのです。
加齢やケガ、病気によって、片足で立つ能力は低下します。視力の低下、難聴、足裏の感覚の低下、神経系の鈍化などから、ふらつきが生じやすくなったり、足首が弱くなったり、また足の置き場に不自由を感じたりするようになります。
バランス力を鍛えるには、バランスマットのように不安定なエクササイズツールでのトレーニングが必須と考える人も多いかもしれません。
が、驚くなかれ、これは間違い! むしろシンプルに片足で立ち、目のエクササイズ(眼球運動)や認知タスク(別名 “デュアルタスク”)を行うことで、バランス感覚を効果的に向上させることが可能です。
今回の記事では、この眼球運動がバランス感覚にアプローチするだけでなく安定性を向上させる効果的な方法であることについても紹介します!
バランスと脳
眼球運動の影響力を理解するには、まず脳の奥深くにある大脳基底核(大脳皮質と視床、脳幹を結びつけている神経核の集まり)を理解する必要があります。
大脳辺縁系(情動の表出、意欲などの本能、喜怒哀楽、記憶や自律神経活動に関与)にある大脳基底核は、眼球運動などの小さな筋肉の動きと、歩行などの大きな筋肉の動きの両方を司る脳の一部です。ナボソ
大脳基底核におけるこの運動関係は、バランスを改善する効果的な方法であることが実証されています。で、バランスエクササイズと眼球運動を組み合わせ、6週間実施した結果、バランスエクササイズ単独よりも効果的にバランス感覚を改善することが分かりました。
眼球運動を取り入れることは、現在のバランス療法や転倒予防プログラムをより充実させ、グレードアップさせる素晴らしい方法です。これにナボソを組み合わせた簡単エクササイズで、効果的にアプローチしていきましょう!
ナボソ式バランスエクササイズ

まず裸足でナボソマットの上に立ち、ニューロボールやセンサリースティックなど手に何か持ちましょう。私たちはこれを“センサリースタッキング”と呼んでいます。エクササイズでは、手のひらと足裏がしっかりと刺激され、脳がより活動的になっていることを意識してみてください。ではスタート!
エクササイズ1「ヘッドターン」
片足立ちかタンデムスタンス(両足を前後に並べて立つ)で始めます。前庭系と視覚系の両方を刺激するために、頭を右と左にゆっくりと振ります。頭を振るときにどこか一点を見つめ、体幹に力を入れるとより効果的です! 片足(もしくは片足を前)で左右に2回ずつヘッドターンを行い、反対側の足でも同様に行いましょう。
エクササイズ2「アイトラッキング」
手にペンなどを持ち、手を動かして目でペン(その軌道)を追う方法と、頭を動かして目をペンに固定する方法の2パターン。どちらも目の動きに必要な筋肉を鍛えるのに効果的です。さらにバランス感覚を向上するために、両足の裏ともう片方の手のひらから刺激が入っているかを確認しましょう。5ラウンド行い、反対側の手も繰り返します。
エクササイズ3「サッケード」
これは最も効果的な眼球運動のひとつでもあります。片足または両足前後で立ち、頭を安定させたまま目だけを動かします。前を向いた姿勢から左側に目を動かせるところまで動かして、どこか一点を見つめます。そして直ぐに目線を右に動かし、そこで再び一点を見つめます。すぐにまた左を見て、という風に繰り返し10往復行います。
効果を高めるには、メトロノームなどを使ってテンポを保ち、視線を動かすたびに何かを見つけるようにすると良いでしょう。
エクササイズ4「周辺視野」
最後は私のお気に入りです。片足またはタンデムスタンス(両足前後)でスタートし、100メートルほど遠くを見ます。遠くの一点を見つめながら、周辺視野にあるすべてのものに注意を向けてみましょう。視線は動かさずに、見えたものを声に出してみます。15秒間キープし、反対側の足も同様に行います。
これらの眼球運動のうち、少なくともひとつかふたつを毎日行ってみてください。眼球運動に対する反応は人それぞれなので、まずはひとつの運動から始めてみて下さい。座った姿勢でもOKです。
バランスを鍛えるプログラムを組み立てる時のポイントは、神経系エクササイズが“優位”に立てるように調整すること。感覚的な刺激を与えたり、着圧ウェアや体の緊張を上手に使うと良いでしょう。
バランスを強化するエクササイズについては、ナボソのバランスボード「キネシスボード」を使った下記の動画もぜひ参考にしてみてください!
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