【成人の3~5%!】外反母趾の進行予防【保存療法とは】

外反母趾と聞くと、長年履きなれない靴を履き続けたお年寄りの足を想像する人が多いかもしれません。しかし、驚くことに、外反母趾は高齢者だけの症状ではないのです。実際、成人の約3~5%が外反母趾で、その平均発症年齢は20~30代と言われています。

では、外反母趾とはどういう症状で、防ぐためには何をしたらいいでしょうか? 今回は、外反母趾の原因、症状、治療、予防などの基本情報をレビューします。

 

 

 

 

外反母趾の解剖学

外反母趾は、足の内側の母趾関節の近くにある骨のこぶです。中足骨の不安定性や靭帯のゆるみにより、第1中足骨という足の長い骨がずれることで形成されます。また、第1中足骨が外側にずれ始めると、足の裏の小さな筋肉によって、母趾が小趾側に引っ張られるようになります。このように第1中足骨と母趾が相反してずれることで、関節のアライメントが崩れ、軟骨がずれてしまうのです。

 

 

症状

外反母趾の症状は、外反母趾の大きさや軟骨からの逸脱の度合いによって大きく異なります。軽度の外反母趾は、靴の中の窮屈感、隆起部の炎症、母趾を極端に曲げた時の痛みなどがあります。一方、重度の外反母趾の場合は、隆起部の滑液包炎、母趾の可動域制限、関節炎による母趾の痛み、第2趾の押し出しや交差が見られるようになります。

 

 

原因

外反母趾の形成を靴のせいにしたいのはやまやまですが、これは最も一般的な原因ではありません。足の形、アーチの強さ、靭帯のゆるみなどが外反母趾の最大の原因です。過度な外反や柔軟な扁平足は、第1中足骨を安定させるための関節が不安定になります。不安定な足で歩いたり、走ったり、ジャンプしたりすると、第1中足骨の変形が始まります。これに加えて、足の筋肉が弱く、靭帯がゆるんでいると、外反母趾になりやすいのです。

 

 

治療方法

外反母趾の多くは、第1中足骨の変形をともなうため、構造的な変形であり、手術しないと元にもどりません。もし手術による矯正に関心がないのであれば、症状をコントロールし、外反母趾の進行を遅らせることにフォーカスするべきです。

【もっとも一般的な外反母趾の保存療法】
・幅の広い靴
・足指セパレーター
・隆起部分へのパッド
・関節へのコルチゾン注射

 

 

症状進行の予防

足の筋力と中足部の安定性を最適化することは、外反母趾の進行を遅らせる、あるいは一時的にでも止めるための重要なポイントです。カスタマイズされた装具、テクスチャーインソール、ショートフットなどの足のエクササイズ、足指セパレーター、臀部の筋力強化などは、外反母趾の進行予防のために重要です。

 

 

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