8月 26, 2024 | ブログ, ベアフットサイエンス, 執筆:Dr. Emily Splichal
裸足の感覚刺激を通じた子供の脳、身体意識の発達
幼い子供にとって、世界は色彩、音、さまざまな感触や感覚にあふれています。新生児、乳児、幼児にとっては、一瞬一瞬が学びの場なのです。子供がこの新しい宇宙を探索する最も奥深い方法のひとつは、感覚を通して理解や相互作用の仕方を形作る認知経路を作り出すことです。この時期は、現実は複雑であり感覚刺激に富んでいます。感覚的な探索は、子供の将来の認知、感情、空間認識の発達の基礎を築きます。
感覚刺激のオーケストラの中で、特に「触覚」は子供と世界との関係を築くのに不可欠です。見落とされがちな“触れること”の重要な側面のひとつに、足の裏からの触覚があります。裸足で世界を体験する子供は、脳の発達と身体意識の向上に関連する発達上のアドバンテージがあります。
「裸足になることで足が鍛えられ、体のアライメントが改善されることを示す証拠があります。幼い子供たちは、地面と足の間の障壁をすべて取り払うことで、地面に対する自然な親しみを感じるのです」 – Rae Pica(国際的に有名な児童発達学の著者)
この記事では、子供にとっての裸足の哲学――裸足の子供がどのように認知の発達や空間認識の優位性を体験するのか、裸足の感覚刺激を通して子供が生まれもつ発達的知性をサポートするために親ができることについて取り上げます。
▼Dr.エミリー解説動画 「足の感覚入力について」
裸足の哲学:少なくとも4歳までは裸足にすべき理由
なぜ子供は裸足でいるべきで、なぜ靴を履き始める必要があるのか?私たちは、早くても4歳からだと考えています。これは子供の成長過程と足の発達の複雑さに基づいた私たちの考え方です。
ある研究では、幼少期に靴を履いていた子供と裸足で過ごした子供を比較したところ、靴を履いていた子供は足のアーチが低くなる傾向があることがわかりました。アーチが下がることは足の発達に影響を与え、将来的には運動学習や精神的な健康に長期的な影響を及ぼす可能性があります。
4歳という年齢は重要です。これは、足の骨が形成された後の最初の節目だからです。6ヵ月の時点では、足はまだほとんどが軟骨です。3歳頃になると最後の骨が発達し始めます。そして4歳になると、足の形状、筋肉の張り、アーチの発達がかなり固まります。この形成により、さまざまな動きや感覚の刺激が可能になり、これが全体的な精神運動と認知発達にとって非常に重要です。
最初の4年間で、子供の足は非常に適応性が高くなり、起伏のある場所を歩くのに必要な形をとることができるようになります。そのため、裸足でいることが強調されます。さらに、靴を履いていると筋肉があまり働かず、アーチが十分に発達しないため、このような適応が制限され、バランス、協調性、身体全体の感覚に影響を与える可能性があります。
裸足でよく歩く子供は、自然と足が丈夫になり、柔軟性が増します。これは、足の筋トレのようなものです。さまざまな路面や刺激に触れることで、足裏の感覚神経が脳に貴重なフィードバックを送り、子供の固有受容感覚、姿勢、協調性を向上させます。
裸足で遊ぶことは、その哲学を実践することです。裸足で遊ぶことを奨励することで、子供の身体的な発達だけでなく、認知の上達もサポートします。これは、子供が成長し、発達するための効果的な方法なのです。子供たちの足には、生まれながらにして身体的および感覚的な資質が備わっています。
子供たちが裸足で外遊びをするメリット
子供たちは毎日、さまざまな触覚刺激に出会います。大理石のタイルの冷たさ、芝生の柔らかく不規則な表面、ビーチの砂の温かさやザラザラ感――こうした感覚体験は、感覚運動学習プロセスの一部となり、バランス感覚、運動制御、筋肉の協調性など、さまざまな心理運動スキルの向上に貢献します。
人間の足には約20万もの神経終末が存在しています。足の裏は複雑な感覚パッドであり、常にバランスをとるための情報を脳や身体に伝えています。室内外で裸足で過ごすことにより、子供の足はさまざまな触覚体験や凹凸に触れることになり、足の神経終末から信号が発せられます。これらの感覚入力は足裏の機械受容器によって処理され、子供の脳に速やかに伝えられます。このプロセスにより、子供の身体が物理的環境の中で身体の神経「マップ」が作られやすくなり、健康な身体の発達に貢献します。

子供の発育のために屋内での裸足遊びを充実させる
子供たちは、室内環境でも足裏の感覚刺激のメリットを体験することができます。感覚遊び用に適したマットは、小さな足に優しくマッサージのような体験を提供します。テクスチャーマットは、血行を促進し、足の緊張をほぐし、子供たちが好きな質感を生み出します。感覚遊びができるマットを通して、子供たちは動きの連動性を学び、バランス感覚を発達させ、身体の意識をさらに高めることができます。
親や保育者が感覚遊び用マットを遊びの時間に取り入れることで、子供たちは自分の身体の機能やさまざまな地面との関係を探求する機会が生まれます。これらのマットはプレイルームに最適です。これは、身体と認知の発達をサポートする感覚を育む環境づくりの一環として非常に効果的です。
裸足の子供と脳の発達
子供が裸足で歩くたびに、発達中の脳に新しいフィードバックがもたらされます。足の裏は体験に基づく情報を伝え、集中力、感情の安定、空間認識に影響を与える可能性があります。
自閉症やADHDのような感覚処理障害(SPD)を扱った詳細な研究から、貴重な知見が提供されています。これらの研究は、SPDの子供たちがしばしば感覚過敏を経験し、足や足首の正常な機能に干渉することが多いと示しています。これは、ダイナミックな動きの際のバランスや姿勢制御に影響を与え、足の感覚刺激と脳の発達との間に重要な関係があることを裏付けています。
室内で感覚プレイマットを使って裸足で遊ぶことは、その後の認知機能の向上に大きく貢献する可能性があります。親や保育者は、このような潜在的なメリットを活用するために、子育て計画を少し変えるだけで、子供たちが最良の成長と発達の機会を得られるようにすることができるのです。
では、子供の靴は?
子供の靴は、小さな足を過酷な地形から保護するために不可欠だと思うかもしれません。しかし、ここで一度立ち止まり、靴の潜在的な欠点について考えてみましょう。特に、子供の重要な発育段階で過度に着用すると、足の自然な発育プロセスを妨げる可能性があります。
裸足の状態とは異なり、靴は子供の足の可動域を制限します。靴は、つま先の自然な広がりやアーチの形成を制約し、靴は筋力や足の負荷パターンにも影響を与えます。さらに、子供の自然な歩幅にも影響する可能性があります。靴による締め付けや不自然な形状は、後々、足の構造の障害や足に関連する問題を引き起こす可能性があります。
さらに、足を覆うことは感覚刺激を妨げる可能性があります。裸足は感覚器官としても機能します。周囲の環境や地形に関する大量の情報を脳に送ります。靴はこれらの情報を遮断するため、足の感覚刺激が制限され、脳の環境認識に影響を及ぼす可能性があります。
「Footwear Science」誌に掲載された研究によると、靴を履いて歩いたり走ったりする子供と裸足の子供とでは、歩行サイクルと足底圧分布に大きな違いがあることが発見されました。靴を履いたグループでは、足の動きが制限され、歩行のバランスも悪く、長期的な影響を及ぼす可能性が示唆されました。
子供の適切な身体発達のためには、保護と自由のバランスを取ることが必要かもしれません。安全な環境下で靴を履かずに過ごさせることで、自然な足の動き、アーチの発達、筋力強化を促進し、室内外で裸足で遊ぶことをオススメします。
子供用の靴には確かにその役割があります。特に安全面や特定の社会的規範においては重要です。しかし、足の発達に関する科学においては、靴が基本的な発達段階を妨げるべきではないことを明確に示しています。可能な限り裸足で遊ぶことで、自然な足の動き、アーチの発達、筋力強化を促進し、健康的な成長と発達の基盤を築くことができます。
足病医のススメ: 靴を履かせる適齢期
子供はいつ靴を履き始めるのが正しいでしょうか?医師のアドバイスはさまざまですが、ナボソでは「靴を履かせるのはなるべく遅く」という考えに基づいています。大切なのは、脳と身体の発達に必要な足裏の感覚を十分に刺激することと、安全性を確保することです。
ほとんどの場合、子供が自信をもって屋外や粗い表面で歩いたり走ったりできるようになって初めて、靴の導入を検討すべきです。子ども一人ひとりの発達は違いますから、その年齢も大きく異なるかもしれません。私たちは、3歳から4歳の間が安全な目安だと考えています。個々の発達のペースによっては、もっと遅くなることもあります。この時期では、柔軟で軽量な靴、つま先部分にゆとりがあり、グリップ力のあるゴム底の靴を探しましょう。これは足を保護するためであって、足を制限するためではないことを忘れずに。
この年齢を過ぎたら、靴は自分の判断で使ってください。子供が安全で過ごしやすい環境にいるときは、可能な限り裸足にさせてあげましょう。裸足で遊ぶことのメリットと、足を保護することのバランスをとることが、この成長期には非常に重要です。総合的にバランスがとれたアプローチが子供の成長と健康をサポートします。
子供の靴選びのジレンマに対処する:正しい子育てをするためのヒント
親であれば、小さな子供を裸足で遊ばせることについて心配になるかもしれません。安全性と衛生面は、子供のためにするすべての決断において最優先事項です。そこで、これらの懸念を科学的な裏付けに基づいた視点から解きほぐし、安心できるようにしましょう。
- 足の怪我が心配?
保護者として、子供が裸足で世界を探検する際の足のケガを恐れるのは当然のことです。しかし、研究によれば、裸足で遊ぶことが多い子どもは、足の置き方がより的確で運動能力も高いということが再確認されています。これは、感覚系が大いに鍛えられ、空間認識を正確に把握できるようになり、バランス感覚が向上するため、怪我の可能性が低くなるからです。地形や清潔さといった外的要因に注意を払うことで、さらに安全を確保できます
- 衛生面のハードル
衛生面では、常識が何よりも優先します。室内外の遊び場を清潔に保ち、有害な可能性のあるものを取り除くことが重要です。子どもが裸足で楽しい1日を過ごした後は、感染症や病気を防ぐために足をきちんと洗って乾かしましょう。また、定期的に足の状態をチェックすることで、安全で靴を必要としない環境を作り上げることができます
裸足で過ごすことは、子供の身体的、認知的な発達を助けます。だからこそ、自由に裸足で走り回らせてあげましょう!

まとめ
子供を4歳まで裸足で過ごさせることは、単なる個人的な好みではありません。子どもたちの発達を促す上で、非常に重要なことなのです。このアプローチにより、子供たちは豊かな触覚体験を得ることができ、これが認知発達、バランス、全体的な調整能力を大幅に向上させることが知られています。靴の中に閉じこめられていると、このような重要な側面が抑圧されてしまいます。この重要な感覚体験は、特に形成期において、足の筋肉とアーチの自然な成長を促し、固有感覚と脳の発達を助けます。
裸足での遊びを奨励することは、親や保育者にとって、子どもの包括的な発達を促進する強力な手段となります。安全な環境での裸足の遊びを推奨することで、靴の保護機能を維持しながら、丈夫な子供を育てるために重要な発達の道筋を尊重し、育むことができます。この視点を取り入れることは、最適な発育を促し、子供たちが自信を持って未来に踏み出せるようにするために、取り組むことを意味します。
子供の遊びの時間にテクスチャーを取り入れたいとお考えなら、室内のプレイルームに最適なテクスチャー加工がされたナボソ マットをオススメします。
子どもたちの成長とウェルビーイングを最優先に考えましょう。一歩一歩を大切に。
今日の裸足の一歩が、明日の大きな飛躍につながります!
(参考)
https://www.naboso.com/
https://www.raepica.com/2017/09/barefoot-benefits-brain-development-2018/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5556098/
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fped.2018.00115/full
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19424280903386411
https://www.nature.com/articles/s41598-018-21916-7
4月 30, 2024 | ブログ, 執筆:R-body, 足・手・からだの健康
年齢とともに鈍くなる足裏の感覚
足裏や手のひらにはたくさんの感覚(振動、圧、凹凸など)を受け取るセンサー、感覚受容器が存在します。
それらの鋭敏さは加齢とともに減少するという報告もされています。
年齢とともに片脚で立つとふらつきやすくなった、という経験はないでしょうか。
片脚で立つという動作は、視覚や足裏の感覚などを脳が処理して成立しています。そのため、足裏の感覚が鋭敏であるほど、バランスも取りやすくなります。
足裏の感覚が正常であれば、「今は踵に体重がかかっている」「母趾球に体重がかかっている」と感知でき、足裏の中心に重心を戻すような反応を起こすことができます。
そうすることで倒れずに立っていられるのです。
しかし加齢とともにその感覚は鈍ってしまい、70歳代になると感覚を受け取るためには2倍の刺激が必要とも言われています。
例えば年齢を重ねると耳が遠くなり、周囲の人が大きな声を出して話す場面があると思います。足裏にも同じようなことが起きていて、通常よりも多くの刺激を入れないと感覚を受け取りにくくなっているのです。
そこで役に立つのが「Naboso(ナボソ)」の商品です。今回はその中でもナボソ マットを使用した例をご紹介します。

“刺激を入れる” マット
このマット、ナボソ独自の “テクスチャー” と呼ばれるピラミッド型の突起が全面を覆っていて、足の裏に伝わる振動や圧などの刺激を高めてくれます。
そうすることで足裏の感覚受容器が反応しやすくなり、今は踵に重心が偏っている、母趾球に偏っている、という感覚がわかりやすくなります。
しかしこういったマットがなくても、例えば足の裏にかかる圧などの刺激を高める方法があります。それは重量を持って行う「ウエイトトレーニング」です。
年齢を重ねても、その人に合った安全な範囲である程度の負荷をかけたトレーニングは筋力維持などにも効果的です。
ダンベル、バーベルなどの重量を扱うということは自体重以上の負荷がかかります。それは同時に足裏への感覚の刺激を増加させます。
つまり、ナボソ マットの上でウエイトトレーニングをすると更に足裏への刺激を高め、効率的なトレーニングができるということです。

ナボソ マットの特徴のひとつとしては、普段行っているトレーニングがそのままできることです。
実際にこのマットの上でウエイトトレーニングをすることで、左足の小指側(外側)に体重がかかりやすい筆者は、左足の母趾球を踏む意識がしやすくなり、スクワットを行うときに足裏全体で床を押す感覚が良くなりました。
運動指導者の方は運動施設に取り入れることは簡単に出来ますし、一般の方でもご自宅用に購入も可能です。用途によってマットの種類も用意されているので、ぜひ一度商品をご覧になってみてはいかがでしょうか。
もちろんウエイトトレーニングに慣れてない方は、まず自体重のエクササイズから行ってみるのも効果的です。
また、足の形も正しい感覚を得るためにはとても大切なので、扁平足、外反母趾がある方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
—–
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/48/3/48_48-3kikaku_taguchi_takayuki/_pdf
1月 25, 2024 | メディア掲載
掲載企画:転ばない!ケガしない!最後までシャキッと歩ける体を作るポイントは、足裏刺激!最強足裏チューニングマットって? #編集部のこれ買って正解!
「転んだりつまずいたりしたくない! そんなとき、足裏を刺激すると、体のバランスも姿勢もよくなり、メンタルも安定するってほんと? 上に立つだけで効果を得られる、ちょっと気になるアイテムを試してみました!
いつもお世話になっているボディコンディショニングのスタジオと、パーソナルトレーナーさんのスタジオで最近発見したのが、NABOSOマット。
シリコンでできた細かい突起のテクスチャーがある、形状としてはいわゆるヨガマットです。……」
掲載商品:ナボソマット、ナボソ ニューロボール、ナボソ スタジオソックス(赤)、ナボソ センサリースティック








Webマガジン「OurAge(アワエイジ)」 2024年1月22日掲載
発行元:集英社
1月 12, 2024 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 目的にあわせたナボソ活用術
運動不足は今、世界中で大きなリスクとなりつつあります。テクノロジーに大きく依存している現代のライフスタイルのなかで、多くの人がかつてない程その影響を受けています。その欠点は、仕事をするために体を動かす必要がなくなったことでしょう。
一方で、良い面もあります。科学的研究に裏打ちされた現代のテクノロジーは、健康的なライフスタイルを向上させ、サポートもできるということです。
運動量アップの心得
スポーツをしたり体を動かす機会が増えるのは良いことですが、運動量が増える際は、運動中の安全面と健康面の両方に注意する必要があります。ある研究によると、怪我、特に捻挫の理由の多くはスポーツに関係したもので、そのうち足関節の捻挫が全体の72%を占めています。
これはアメリカでは深刻な問題です。毎年約200万人が足首の怪我に苦しんでおり、足の筋肉の修復にかかる費用は決して安くはありません。たった一度の捻挫が、仕事、家庭生活、しいては生活全般の満足度ダウンにつながる可能性もあるのです。
過度のジョギングやジムでのトレーニングに至った場合、足首の腫れや痛みといった初期症状に気づくかもしれません。治療を怠ると、足首の捻挫は二次的な症状を引き起こします。腱鞘炎、内側脛骨ストレス症候群、膝内側の痛みなどです。軽い足関節捻挫を起こした患者の最大80%が、慢性的な足関節の不安定性を抱えるようになります。さらに多くの患者が、足に後遺症を残すことになるでしょう。
では、この深刻化する問題にどう対処すればいいのでしょうか?ベストな方法は、運動と平行して足の筋肉を強化することです。バランス、パワー、筋力はすべて、ケガ予防に大切な要因となります。
科学的な裏付けのある3つの方法を紹介しましょう。
①ベアフット(裸足)トレーニング
「運動靴を履かずにトレーニングすると、足の筋肉に良い影響があるか?」――答えは、イエス!
私たちはほぼ1日中、靴を履いています。靴は私たちの足をサポートしますが、同時に動きを制限します。柔軟性を低下させ、足の筋肉が本来のパフォーマンスを発揮するのを妨げてしまうのです。
多くの理学療法士が裸足で運動することを勧めるのはこのためです。ヨガやピラティスの人たちを見てみましょう。足が靴によって制限されていないとき、彼らの敏捷性とバランスは、より強調されます。同様に、ダンサーは裸足か、動きを妨げない柔軟な靴を履いています。
裸足でトレーニングすれば、感覚への刺激が高まり、関節の健康がサポートされ、バランスが最適化されることにつながります。また、安定性が高まれば、転倒による怪我も少なくなるでしょう。裸足でのトレーニングについてもっと知りたい方は、ぜひ私の著書『ベアフットストロング(Barefoot Strong)』にまとめているのでご覧ください。

「Barefoot Strong: Unlock the Secrets to Movement Longevity」 (Emily Splichal)
➁ショートフットエクササイズ
多くの活動的な人々が足底筋膜炎や中足骨骨頭痛(足の指の付け根が痛む)に悩まされています。これは多くの場合、 足底筋力の低下が原因しているといいます。“ショートフットエクササイズ(SFE)”または “フットドーミング”は、これを解消するための最も効果的なフットエクササイズのひとつです。このエクササイズは、足裏の筋肉を強化し、持久力をつけるためのアプローチです。道具は必要ないので、どこでも(座っていても)できます。
ショートフットエクササイズのやり方は?
まずトライポッドフットと呼ばれる、足裏の3点(①母趾球:親指の付け根、②小趾球:小指の付け根、③踵の中心)を探します。そして、つま先を持ち上げ、広げ、地面に下ろします。この時、足の内在筋を使い、つま先を地面に押しつけ、10秒間キープします。一度リラックスしたら、左右5回ずつ繰り返しましょう。足がつるようなら、一度リラックスしてから、また後で試してみてください。
ある研究では、慢性的な足関節の不安定性に対処するためにショートフットエクササイズが実施されました。科学者たちが30人の成人を対象に、8週間にわたりエクササイズをモニターし、関節の位置感覚、振動の感覚閾値、バランス、足首の不安定性などの定量的な体性感覚を測定しました。ショートフットエクササイズを実践したグループでは、すべての項目で有意な改善の傾向が示されました。このことから、ショートフットエクササイズは足関節捻挫患者の治療において、通常の理学療法よりも効果的だったと認められています。
③テクスチャーの刺激
足は体のすべてに影響を与えます。あなたの動き方は膝、股関節、腰、首への負担に直接影響するため、多くの怪我につながる可能性があります。
エクササイズするときは、足裏(皮膚)に注意を払いましょう。バランス、姿勢、モーターコントロール(運動制御)、そして人間の運動にとって非常に重要です。科学的な裏付けのあるテクスチャーテクノロジーを活用することで、足裏をサポートすることができます。これにより、毎回、ワークアウトの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。ナボソには、足と身体の強化に最適なテクスチャーマットとインソールがあります。
ナボソのマットは、テクスチャーと表面科学に基づいた、米国特許取得済の独自のテクスチャーを使用しています。このユニークなテクスチャーが足裏の皮膚を刺激。使用することで、姿勢のコントロール、安定性、筋力の向上を実感していただけると思います。


- 裸足で立つエクササイズの際に、足裏への刺激を最適化
- ケトルベル、サンドバッグを使ったエクササイズ、オリンピックリフティング
- 裸足でステップアップやランジなどの自重エクササイズ

同様に、ナボソ インソールは足裏を刺激することで姿勢やバランスをサポートします。それだけでなく、歩行パターン、足首のプロプリオセプション(固有受容器)、力発揮にも良い影響を与えます。
ナボソは “足裏の点字 “のようなもの。ナボソの素材は、足が地面を“読む”ことを可能にします。
動く度あなたは、より強く、より柔軟に、より力を発揮するようになるでしょう。
11月 6, 2023 | ブログ, ベアフットサイエンス, 執筆:Dr. Emily Splichal
「足の健康、動きに靴やインソールが影響する」ことはよく知られています。ではそれと同じ、いやそれ以上に私たちが動く際に足裏が接する “地面”、つまり接地面が(裸足の場合は特に)重要といったら?
衝撃の潜在的エネルギー
足が地面に接するとき、重力による落下と加速の時間が、地面を蹴る“床反力”につながります。振動として認識されるこうした衝撃は、エネルギーとして活用されたり、より効率的に動くための手段となります。
足裏の接触から生じる振動やエネルギーの量は、接地するどの地面も同じではありません。エネルギーを与える地面もあれば、エネルギーを奪う地面もあります。
足裏が着地する接地面との間には、必要とされている“共生関係”があるのではないでしょうか。部屋の中を歩くとき、足が地面に接触するたびに、接地面と足裏の両方が振動していると想像してみてください。2つのシンバルがぶつかり合い、振動を生み出すようなものです。
ここで重要なのは、すべての接地面がうまく振動するわけではないということです。例えばコンクリート。コンクリートの上でジャンプしたり、走ったらどうでしょう? かなり痛いですよね! なぜなら、このような接地面からは振動エネルギーが生まれず、衝撃のすべてが足に戻ってしまうからです。
理想的な接地面
接地面は接触時に振動し変形するため、振動の程度は接地面の形状、つまり表面の硬さや変形しづらさに左右されます。
この理論を支持する専門家たちによると、エリート体操選手にとって最高の着地テクニックを実現する理想的なマットは、実は硬いマットであることがわかりました。体操選手が柔らかいマットの上で着地したときのそのテクニックは正確ではなかったのです。
さらに、足が着地する0.170秒前までに筋肉の緊張が必要であることも強調されています。この事前反応をサポートするのが、振動です。専門家によってしばしば研究されているこのコンセプトは、ナボソ創始者であるエミリー・スプリカル博士の指導にとって極めて重要な要素です。
“テクスチャー”を重視した接地面
特に裸足でトレーニングする場合、接地面の形状で考慮したいもうひとつの特徴が、テクスチャー(質感)です。テクスチャー感覚は、足底の固有受容器の刺激のひとつです。そして大事なポイントは、すべてのテクスチャーは同じではないということ!
2011年、足裏からの固有感覚の反応を改善するために最も効果的なテクスチャーを見つけることを目的としたHattonらによる研究が行われました。その一環で、ふたつの異なる形と大きさのテクスチャーが比較されたのですが、興味深いのはピラミッド型のテクスチャーだとバランスと安定性が向上したのに対し、ドーム型のテクスチャーは実際にバランスを崩した、という結果です!
そしてここで注目したいのが、ナボソのようなピラミッド型のテクスチャーでバランスが最も改善したのは、被験者が目を閉じているときだったこと。その理由は、入力システム(目、耳、関節、皮膚)のひとつを取り除くと、神経系は他の入力システムを探し求めるからです。このケースでは、バランスを維持するために足裏の感覚がより刺激されていた、というわけです。
実践への応用
裸足でトレーニングやスポーツをする際に、特に接地面に求めたい特徴をまとめました。
- 硬さ:最適な振動を可能にする
- 振動の吸収:ダイナミックな動きの際の余分な振動を抑える
- テクスチャー:足底にある細かい神経の固有受容器を独自に刺激する
ナボソと接地面のイノベーション
ナボソのマットには、このような表面科学の特徴がすべて盛り込まれています。米国特許を取得した(第11642279号)ナボソ独自のテクスチャーをはじめ、私たちはフィットネス、パフォーマンス、リハビリにおける表面科学への考え方に新たな変化をもたらしています。
ナボソのマットは全4種類。それぞれのアイテムについての詳細はDr.エミリーの動画をぜひご覧ください!
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