11月 22, 2022 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
人間の足は、1日に5,000回以上、歩く地面に適応し、衝撃を吸収し、私たちの一歩一歩を進めています。
このような基本的な動作は、どのような仕組みで行われているのでしょうか。
それが「プロネーション」です。
プロネーション(回内)とは?
プロネーションは、足のロックを解除する動作と定義され、後足部と中足部の関節を含む複雑な3面の動きです。
プロネーションは、足の内側への回転、いわゆる外反、とアーチの低下を伴うのが一般的です。
この足裏のロックが解除されることで、足裏は衝撃力に対して可動性を持ち、減速することができるのです。
プロネーションは足の機能にとって重要なものですが、他と同様に、いきすぎると悪いことが起こります。
オーバープロネーション(Over-Pronation)(別名:「扁平足」)
オーバープロネーションとは、ロック解除や外反の度合いが、衝撃力を吸収するために必要な範囲を超えている状態のことです。
オーバープロネーションには、以下のような要因があります。
- 靭帯の緩み
- 足の筋力低下
- 股関節の筋力低下
- 足首の可動域制限
※扁平足についての詳しい解説はこちら
主な症状
足のプロネーションの程度が大きくなると、足の軟部組織にストレスがかかり、足底筋膜炎、後脛骨筋腱炎、内側足首の痛み、さらには外反母趾の原因となることがあります。
足部の統合的な機能により、足部のオーバープロネーションは、下肢や骨盤へのストレスも引き起こす可能性があります。
オーバープロネーションは、以下のような症状と関連することが少なくありません。
自分でできるケア
オーバープロネーションの原因によって、推奨されるケア方法は若干異なりますが、最も一般的なケア方法には以下のようなものがあります。




機能的に足を診察する場合、オーバープロネーションの原因にかかわらず、すべての患者が何らかの足の可動域エクササイズと強化プログラムを受けます。
足には日常的に要求されることが多いため、毎日朝晩5分間、ニューロボールのようなツールを使って足のマッサージを行うことが重要です。
さらに、片足立ち、ショートフットエクササイズ、ピラティスなど、集中的に足を強化することは、足の筋肉を連動させるための素晴らしい方法です。
扁平足が気になる方は、お近くの足の専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか?
11月 14, 2022 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
足底筋膜炎を経験したことのある人なら誰でも、かかとに刺すような痛みがあることをご存じですよね。数日間、あるいは数ヶ月間、その症状が続いたとしても、ほとんどの人は、“安静”、“アイシング“、”鎮痛剤“、そして”ストレッチ“など、同じような治療法を選択します。
もし、足底筋膜へのストレスを軽減する別の方法があるとしたら? ……そう、私のお気に入りの足用品の1つである足指セパレーターのことです! まずは、足指セパレーターの背後にあるサイエンスをお話する前に、足底筋膜の解剖学を復習してみましょう。
足底筋膜
足底筋膜は、足の裏にある厚い帯状の組織で、中央、外側、内側の3つの帯からなり、いずれも、さらに表層線維と深層線維に分かれています。中央の帯は、踵の内側足底から始まり、足指に向かって進み、最終的には中足骨頭を結ぶ1本の水平靭帯と、足指の付け根につながる5本のスリップに分かれます。このように足底筋膜が多様に分かれることで、足の前側やかかとの裏側を含む足指のアライメントと足底筋膜の間に強いつながりを生み出しているのです。
足指の広がりと筋膜炎
足底筋膜の多様な分岐は、足の前側と足指のアライメント、かかとの裏側と足底筋膜の間の強いつながりを作り出します。この前足部の筋膜のつながりが、ナボソ スプレイのような足指セパレーターの魔法が起こる場所であり、足底筋膜を簡単にストレッチする方法を生み出すのです。足指セパレーターを継続的に使用することで、足指のアライメントをサポートするだけでなく、組織の治癒に必要な足底筋膜への血流を増加させることにもアプローチできるのです。
興味深い事実
Ridgeらの研究によると、母趾を内転(内側に曲げる)させて外反母趾の状態にすると、足の裏や足底筋膜への血流が減少する可能性があることが分かっています。
たかが足指セパレーター、されど足指セパレーター。
足指セパレーターを試してみませんか?
(参考)
Ridge Foot and Ankle Associates | Plantar Fasciitis in


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11月 2, 2022 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
私が外科の研修医だった頃、最も辛かったのは、睡眠がとれなかったことではなく、長時間の立ち仕事とそれに伴う腰痛でした。
「正しい姿勢」を覚え、体幹を鍛えようとしても、病院のコンクリートの床で1日12時間勤務するのは、人間の体にとって不自然なことなのです。
長時間の立ち仕事により腰痛に悩んだことがあるという方は私以外にもたくさんいるでしょう。
米国疾病予防管理センター(CBC)は、仕事中の過度の立ち仕事は人間工学に基づく健康リスクであり、米国の医療制度に大きな損失を与えていると発表しています。
看護師、ヘアスタイリスト、警察官、パーソナルトレーナー……私たちの仕事の多くは6時間以上立ち続けることがあります。
その結果、、、
足が硬くなる、ふくらはぎの痛み、腰の筋肉疲労
私が研修医時代に使っていたテクニックで、今ではほとんどすべての患者さんにお勧めしているのが、毎日朝と晩に行う5分間のフットリリースです。
フットリリースは、どのように腰への負担を和らげてくれるのでしょうか?
答えは、筋膜!
足と背中の関係
筋膜の研究の進歩により、足の筋肉はふくらはぎ、ハムストリングス、腰の筋肉とつながり、さらに頭のてっぺんまで続いていることが証明されました。
これは、「スーパーフィシャルバックライン(SBL)」と呼ばれるものです。
SBLは、直立姿勢の身体を支える筋膜のラインとして、頭から足先までのケーブルのような役割をしています。
長時間の立ち仕事は、このラインに沿って走る筋肉全体に硬さを生み出してしまいます。
フットリリースの力
足の裏などSBLに沿ってリリースすることは、足と筋膜ライン全体の緊張をリリースする効果的な方法であることが研究により明らかにされています。
そこで、ナボソニューロボールのようなツールとそれを使ったフットリリースの出番です。
ナボソ ニューロボールはユニークな3-in-1デザインで、2つのドームとして使用でき、人間工学に基づいたフットリリースと、足の循環のための感覚的な刺激を足に加えることができます。


一日中立ちっぱなしで疲れた足をリカバリーしませんか?
参考:日本整形外科学会「腰痛」
10月 28, 2022 | ナボソを初めて使う方へ, ブログ, ベアフットサイエンス, 執筆:Dr. Emily Splichal
人間の足を思い浮かべてください。そこから、裸足で立っている人、そして裸足で歩いている人を思い浮かべてみてください。
足が地面に接地し、衝撃を受けて変形し、ほんの数ミリ秒後に再び安定し、押し出されるのが見えますか?
人間の動きを考えるとき、どうしても関節が動き、筋肉が収縮することに目がいきがちです。
また、足の機能についても、偏平足、ハイアーチ、回内、回外など、すぐにそのメカニズムについて考えてしまいます。
しかし、より深く人間の動きを科学すると、見た目だけではわからないことが見えてくるのです。
足部機能の2つの側面
私はEBFA (Evidence Based Fitness Academy) グローバルの代表として講義をするときや、患者さんに話をするとき、足の機能(と機能障害)にはバイオメカニクスと神経筋の2つの側面があることをいつも強調します。どちらも足の機能において重要な役割を担っており、評価されるべきです。しかし、どちらかのアプローチだけ念頭に置いて足の痛みを治療することは、本質的に欠陥が生じてしまいます。
ほとんどの足病医の学校では、足の機能と足の病理学について、バイオメカニクスの観点のみから教えられています。つまり、すべての患者が足のモビリティをテストされ、アーチの高さと足のタイプを診るために静的に立つように言われます。このように足に焦点を当てたバイオメカニカルアセスメントと足の分類システムに基づいて、患者の怪我の原因や治療方法が決定されます。
その結果、動きをコントロールするためのフットウェアやカスタマイズされた装具が、バイオメカニクス視点からのコントロールや痛みを軽減することを目的として用いられるのです。
バイオメカニクスを越えて
足部機能については、神経筋の観点から、感覚刺激と筋膜システムのサイエンスを組み込んでアプローチされるべきです。神経筋機能の場合、すべての患者は足底の機械受容器の感度と、足部と体幹のつながりを診ていきます。ミニマルフットウェア(より裸足に近い靴)の役割、筋膜リリース、呼吸パターン、代償パターン(より体の中心に近いところの)など、すべてが考慮されます。
では、どちらがより適切なのでしょうか?
それは人それぞれです。あるケースでは、よりバイオメカニクス的な影響が強く、またあるケースでは、より感覚的な影響が強くなります。 つまり、この2つのアプローチの組み合わせが、患者にとって最も良い結果をもたらすのです。
足の痛みにおける感覚的刺激
私の診療と足病医としてのキャリアは、感覚刺激が足の機能と足の痛みに重要な役割を果たすことを広めることが中心です。私たちが一歩一歩踏み出すたびに、衝撃力は振動として足に入ってきます。この振動は、足底の機械受容器を刺激し、足底の内在筋(小さな筋肉)の共収縮を通じて衝撃力を調整するために使われます。この共収縮により、足が硬くなったり、強くなったりする反応が起こります。
NiggらやRobbinsらの研究者は、足底の感覚刺激と内在筋力の間に直接的な関係があることを実証し、一方が他方に必要であると結論付けています。つまり、クッション性の高い靴や装具によって足裏の感覚刺激が遮断されると、足底筋膜炎やアキレス腱炎、疲労骨折を引き起こす可能性があるということです。
振動刺激を越えて
振動刺激は足裏に伝わる非常に重要な感覚刺激ですが、感覚刺激とはそれだけではありません。もう1つの重要な刺激は、足裏の感触を判断する能力であり、地面が粗いか滑らかかを判断することができます。この情報は、氷の上を歩くような、よりダイナミックなバランスを保つ時に必要です。
このような時に、メルケル盤と呼ばれる機械受容器の1つが登場です。この表在感覚神経は、2点識別と呼ばれ、表面の粗さや質感を判断するために使用されます。表面テクスチャーやインソールのテクスチャーは、足への刺激や、姿勢や歩行に関して最も研究されている側面の1つです。パーキンソン病や多発性硬化症患者の横揺れの減少や、アスリートの脳震盪後の前頭前野の活動の減少に対してなど、その応用は期待できます!
感覚刺激や足の機能に関して、これまであまり注目されてこなかった分野のひとつに、足の痛みがあります。私はこの注目されないという概念を変え、感覚刺激と足の痛みの強い関係を広めていきます。
先に述べたように、足裏の感覚刺激は足裏の内在筋の収縮につながります。内在筋の収縮は、衝撃力を減少させる重要なステップであるだけでなく、内側アーチを作り、体幹と一緒に収縮することが示されています。
テクスチャーの進化
ナボソは、インソール、ソックス、マットなどさまざまなリリースツールにこのテクスチャーを採用しています。触覚のサイエンスと長年のテクスチャーインソールの研究により、足の痛みに悩む人々に新たな希望を与えるインソールを市場に送り出しました。
ナボソインソールには、アクティベーション、ニューロ、デュオの3つの刺激レベルがあります。どんな靴にもフィットし、すべての運動面で自由に動くことができ、厚さはわずか3~4mmです。
足の痛みにお悩みの方には、テクスチャーインソールとニューロボールのようなツール、そして毎日5分間のフットリリースを組み合わせることをお勧めします。
ニューロボールを使ったフットリリースの動画を観ながら、ぜひ一緒に試してみてください。より分かりやすいですよ!
9月 27, 2022 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
足の指、まっすぐ伸びていますか?
皆さんの中には、何らかの足の指の拘縮(こうしゅく)を経験している方も少なくないかもしれません。サンダルの季節にこそしばしば気になりますが、足の指の拘縮は美容の問題以上のものです。
足の指のアライメントと強さは、バランス、踏み込み、加速、ジャンプの動作において、重要な役割を果たします。
足趾が固まり始めると、足裏の接地と安定性が失われます。てこの原理で言えば、つま先が長くまっすぐであればあるほど、より大きな力を発揮することができます。つまり、私たちの足の機能と動きのためにはまっすぐ伸びた指が理想的なのです。
ここでは、足の指の拘縮の最も一般的な種類と、種類に応じた治療をご紹介します。
ハンマートゥ(金槌型)、マレットトゥ(木槌型)、クロートゥ(かぎ爪型)
足の指のどの関節が拘縮しているかによって、主に3つのタイプがあります。
足指の第一関節だけが拘縮している場合、これはハンマートゥと呼ばれます。これは、屈み指(かがみゆび)ともいわれ、足病医が診る最も一般的な拘縮タイプです。
足指の第二関節だけが拘縮している場合、これはマレットトゥと呼ばれます。これは第2趾が長い人によく見られ、モートン病とも呼ばれます。
足の指の両方の関節が拘縮している場合は、クロートゥと呼ばれます。マレットトゥ、クロートゥともに、足の指の先端にタコができたり、細かい衝撃により足の爪が厚くなったりすることがあります。

柔軟な変形 vs. 硬い変形
足の指の拘縮のタイプがわかったら、次はそれが柔軟な変形なのか、硬い変形なのかを見極める必要があります。
まず、足の指を掴んで、拘縮をまっすぐにしようとしてみます。つま先はまっすぐ引っ張られますが、手を離すとすぐにまた拘縮してしまいますか? もしそうなら、これは柔軟な変形とみなされ、元に戻せる可能性があります。
足の指をまっすぐに引っ張ってみても動かない場合は、硬直性拘縮とされています。これは、足の指の拘縮が進行して関節炎を伴うもので、構造的な変形といえます。残念ながら、硬直性拘縮をまっすぐにするためには、手術しかありません。
伸筋優位 vs. 屈筋優位
足の指の拘縮を正確に治療するためには、最後の分類を行う必要があります。これは、どの筋肉が優位で、そもそも拘縮の原因となっているかに関係するものです。
どのタイプに当てはまるかを判断するには、まず両足で立ちます。ショートフットエクササイズのように、つま先を地面に押し付けます。つま先が収縮しているのがわかりますか?
つま先をリラックスさせ、今度はヒールレイズをします。つま先が収縮しているのがわかりますか?
もし、いずれか、あるいは両方に「はい」と答えた方は、屈筋優位の拘縮があります。これは長趾屈筋が小さな内在筋に勝っていることを意味します。
伸筋優位がどうか判断するには、もう一度両足で立ち、今度はスクワットをします。しゃがむと、足の指が縮んだり、地面から浮いたりしませんか?
足の力を抜いて、今度はゆっくりとその場で足踏みを始めてください。つま先をみましょう。足を上げるたびに、つま先が上がったり下がったりしていませんか?
最後の2つのテストのいずれかに「はい」と答えが場合、これは伸筋優位の状態です。これは、あなたの長趾伸筋が小指の内在筋に勝っていることを意味します。

タイプ別治療法
最も効果的な足指の拘縮治療法は、あなたがどのタイプの変形を患っているかによって決まります。
以下は、足の指のバランスを整えるための簡単なガイドラインです。
タイプ①:柔軟性のある屈筋優位の拘縮
- 脚の裏側の筋肉をほぐす
- 足裏の筋肉をほぐす
- 足指セパレーターをつける
- ショートフットエクササイズで足の内在筋を活性化し連動させる
タイプ②:柔軟性のある伸筋優位の拘縮
- 脚の前面の筋肉をほぐす
- 足の裏の筋肉をほぐす
- 足指セパレーターをつける
- ショートフットエクササイズで足の内在筋を活性化し連動させる
タイプ③:硬いハンマートゥもしくはクロートゥ
- 足指セパレーターをつける
- 足裏の筋肉をほぐす
- ショートフットエクササイズで足の内在筋を活性化し連動させる
重要なことは、どんなケアや治療をするにしても一貫性を保ち、継続すること。
もし自分がどのタイプの変形なのかわからない場合は、整形外科医もしくは足の専門医に足の機能評価をしてもらいましょう。
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