6月 30, 2023 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
世界中で年間200万人以上が罹患しているともいわれる、一般的な足の疾患、足底筋膜炎 。
かかとの骨とつま先をつなぐ、足の底を走る太い帯状の繊維組織「足底筋膜」の炎症が痛みの原因になります。患者の多くは、かかとの骨の中央下部にある足底筋膜の起始部付近に痛みを感じるとされ、その痛みや不快感は、日常生活に大きく影響します。さまざまな治療法がありますが、痛みを治すための感覚的・感触的なアプローチは、画期的な対処方法です。
足底筋膜炎とその原因、そしてなぜ感覚に焦点をあてた解決法が足の痛みを管理し、解決するのに効果的なのかを探っていきます。

足底筋膜炎とは
足底筋膜は、足のアーチを支え、歩行やランニング時など体重を支える活動中の衝撃を吸収するという重要な役割を担っています。
この組織が過度のストレスを受けたり引き伸ばされたりすると、コラーゲン繊維が微小に断裂し、修復反応が引き起こされます。この修復反応がうまく管理されないと、最終的に足底筋膜炎として認識される鋭い足裏の痛みにつながります。
【一般的な症状】
- かかとや土踏まずの刺すような痛み
- 静止後の運動障害や痛み
- 動けば痛みは治まるが、長時間の運動や立ち仕事の後に悪化することがある
主な原因
発症する可能性は誰でもありますが、足底筋膜へのストレスやかかとの痛みを引き起こす原因として例えば以下のようなものがあります。
- 足底の使い過ぎと過度の衝撃
- ハイアーチや扁平足などの足のタイプ
- 合わない靴
- 加齢や体重増加

“感覚的”治療法
従来の治療法は、炎症や痛みを抑えること、ストレッチを行うことに重点を置いていました。
一方、感覚的なアプローチは、根本的な原因に対処し、効果的な緩和をもたらすユニークかつ包括的な治療法です。
ナボソのテクスチャーは、感覚を刺激し、動作をサポート。米国特許を取得した(US 11,642,279 B2)ピラミッド型の2点識別テクスチャーが特徴。足裏の感覚とバランスをサポートすることで、よりよいカラダの動きを目指します。

さらに、ナボソのリカバリーコレクションは、かかとの痛みと闘うあなたを朝・昼・夜と足から支えます。
MORNING
朝の準備時間に、ナボソ ニューロボールを使った5分間のフットリリース! これにより、血液循環を改善し、筋肉の緊張を和らげ、足底筋膜を緩めます。ぜひ上記の動画をご参考に試してみてください!
DAYTIME
ナボソ インソールを靴の中にイン! このインソールは足裏を刺激し、動作、姿勢、バランスをサポートします。1日中足のつながりを保ちましょう!

NIGHT
ナボソ スプレイで足の指を広げストレッチ! 足裏を開き、足底筋膜の緊張をほぐしましょう。1日の終わりにわずか30分間の使用でも足をリセットできます。

これらの製品は、単品はもちろん、セットでも購入可能です!

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6月 15, 2023 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
アメリカでは、毎年約80万人が罹患し、約16万人が関連死しているといわれる脳卒中。
脳卒中患者の多くは、一命を取り留めるものの、運動機能の低下など脳卒中の後遺症に直面することが少なくありません。このような症状は、日常生活を送る上で大きな支障をきたし、ひいては生活の質を低下させることになりかねません。
もしあなたやあなたの大切な人が、脳卒中の後遺症、特に歩行やバランスの維持に関する問題に直面しているなら、状況を改善するためにできることがあります。
脳卒中のリスクファクターと原因
脳卒中は、脳への血液循環が遮断され、酸素が不足し、最終的に脳細胞が死んでしまうことで起こります。そのため、脳卒中は脳梗塞とも呼ばれます。
脳が血液や酸素不足になると、数分以内に脳細胞が死滅し始め、思考、感情のコントロール、動作、言語に関する能力が損なわれます。
脳卒中の最も多いタイプは、「虚血性脳卒中」と呼ばれる血流の滞りによって引き起こされるものです。これは、首や脳にある血管内の血栓、体の他の部位から移動した血栓、脳につながる動脈の狭窄という3つの閉塞のうちのひとつによって生じます。
2つ目のタイプの脳卒中は、脳や脳周辺の出血によって起こるもので、「出血性脳卒中」と呼ばれます。
年齢、家族歴、性別など、自分ではコントロールできない危険因子もありますが、喫煙、高血圧、糖尿病、肥満、高コレステロールなどの危険因子はコントロールすることができます。

脳卒中が運動機能に与える影響
脳卒中は、世界中で最も一般的な身体障害の原因のひとつであり、生存者の約80%が体の片側に動作の障害を経験すると言われています。
多くの場合、麻痺は脳内の損傷が起きた側と反対側の体に起こります。例えば、脳卒中で左半球が損傷した場合、右半身に脳卒中後の麻痺の症状が出ます。
脳のさまざまな部位が損傷するため、さまざまな症状が現れますが、小脳が損傷すると、姿勢、バランス、歩行に問題が生じます。
代表的な症状(※)
脳卒中後、バランスに問題が生じることが多く、めまいを引き起こし、転倒のリスクが高まる
この一般的な歩行障害は、脳卒中後遺症の患者さんが衰弱や麻痺のために足の前部を上げられない場合に起こる
協調運動障害には、知覚・視覚の問題、めまいや運動失調(異常で協調性のない動きを伴う)の発生などさまざまな要素が絡んでいる
感覚入力の障害により、しびれやピリピリ感が生じることがある
これらの症状に加えて、視力低下や前庭系の障害(平衡感覚や空間的な方向性などの変数を制御する)が起こる可能性があり、体を安定させ、ひいては運動機能を維持するのが難しくなることもあります。
(※これらに限定されるものではありません)

回復のために何ができるのか?
上述したように、脳卒中後の歩行に関する問題には多くの要素があります。そのため、脳卒中後に運動能力を回復させることは、最重要&重大な課題のひとつなのです。
運動能力を回復させるためには “バランスと感覚問題” を解決しなければなりません。脳卒中は中枢神経系の働きを変えることが多いため、
感覚神経は身体から脳へ、またその逆のメッセージの送信に支障をきたすことがあります。
そのため、研究者は脳卒中後の歩行を改善し、神経可塑性(脳が新しい結合を形成する能力)を高めることを目的として、非侵襲的な脳刺激に注目することが少なくありません。脳の可塑性は、動物モデルでも人間でも確認されています。
脳卒中の合併症は、重症度や回復能力に個人差はありますが、目標に沿った脳卒中リハビリテーションによって、再び歩くことは可能です。
身体運動と治療
運動能力向上エクササイズと関節可動域療法(ROM)はどちらも理想的で、協調運動から筋力UPまで、筋肉の緊張を和らげる理想的な治療法です。
脳卒中後の患者さんの多くは、トレーナーや理学療法士と一緒に、一人ひとりに合ったエクササイズプランを立てて取り組んでいます。
これらのエクササイズは多くが足腰に焦点を当てたものですが、腕のエクササイズにおいても、脳卒中発症から数ヶ月、場合によっては数年後に歩行能力を改善する可能性があることが発見されています。
アメリカ生理学会による研究でも述べられているように、「関連する歩行の改善は他の治療法ほど強力ではないかもしれないが、
腕のサイクリングトレーニングは、リズミカルな歩行と協調性に寄与する、肢間ネットワークを活性化する」ことができます。

技術支援ツール
最新の研究と技術を駆使した革新的なデバイスが数多く登場しています。中でもNaboso(ナボソ)は、足裏の感覚刺激と “ベアフットサイエンス” とを融合させたものです。
足裏の神経を刺激することで、バランスと姿勢をサポートし、歩行パターンや全体的な運動制御に良い影響を与えることが分かっています 。
また、短下肢装具(AFO)も、足が下がることで生じる合併症に対処するために有効な注目の分野です。この場合、足が下がる原因は、神経の損傷、筋力低下、またはその両方である可能性があります。
しかし、原因に関わらず、足部低下の治療には安定性を与え、積極的に歩行改善するべくAFOが使われる傾向があります。
電気神経刺激
「Journal of Rehabilitation Medicine」に掲載されたこの2018年のレビューをはじめ、さまざまな研究が経皮的電気神経刺激(TENS)の効果に着目しています。
7件のランダム化比較試験に基づき、TENSは痙縮の大幅な軽減に加え、脳卒中患者の歩行速度や静的バランスの向上と関連することが明らかにされました。
歩行能力の妨げとなる症状への対応
個々の症例はそれぞれ異なり、脳の損傷を元に戻すことはできませんが、積極的なリハビリは、特に歩行に関して長期的に最良の結果につながります。
脳卒中後の改善の可能性は、最初の欠損によって異なりますが、脳卒中生存者の65~85%は、脳卒中後6ヵ月以内に歩行を再開しています。
運動は一般的な治療法ですが、患者さんの姿勢やバランスが悪いと治療方針がさらに複雑になることもあります。
そのため、特に互いに独立した治療法でないものが推奨されます。例えば、ナボソ インソールを用いた積極的な歩行リハビリ等で、
患者さんの歩行能力改善をサポートします。
米国特許取得済みの独自のテクスチャーが感覚にアプローチし、足の健康やバランスをサポート
神経系を刺激することで、患者さんの機能を回復させ、バランスなどの要素を改善する。このような革新的な技術が人々の生活を変えています。

さらに詳しくは公式HPから!

6月 2, 2023 | ナボソを初めて使う方へ, ブログ, ベアフットサイエンス, 執筆:Dr. Emily Splichal
“新しいアイデア や 感覚 により広がった心は、決して元の大きさに戻ることはない”
– オリバー・ウェンデル・ホームズ
私の大好きな名言のひとつです。
実は私、学びや自己拡大、自己成長に関する名言が大好きです。私たちの学習能力は決して止まることはないという信念を持っていますし、学び続けること、自分の知識や経験への挑戦を続けることは私たちの責任でもあります。

人の体、生理学、病理学に対する理解は常に拡大し続けていますから、健康やウェルネスに携わる専門家にとっては特にそう言えるでしょう。
臨床家としての私のアプローチにおいても、単なる足のバイオメカニクスや足を使ったショートフットエクササイズにとどまらず、脳や呼吸、感情、そして“ベアフットサイエンス(裸足科学)”の神経可塑性(かそせい)まで成長と拡大を絶えず続けてきました。
今回皆さんにお伝えしたいのは、表面や質感、触感を識別する能力が子どもや大人の感情の安定にどう関係しているか、という点です。
“サバイバル” から “洗練” へ

触覚は強力な入力システムです。触覚により、自らの環境を操作したり(例:足元の岩の鋭さを感じるとゆっくり歩くように指示する)、他者を介して自身の環境を操作したり(例:誰かに強く掴まれると襲われる可能性があると警告する)できます。
“進化”という点においては触覚も例外ではありません。触覚は、単に生存のため(脅威かどうか)のものから、より具体的で識別するためのものへと変化してきました。
この高度な触覚処理は手と足の両方に及び、顕微鏡手術のような複雑な作業から点字を読むまでこなすようになりました。
今日、触覚には保護的側面と識別的側面の両方が研究者が「二元論」と呼ぶ関係を通じて存在しています。
この二元論は触覚においてバランスを要します。保護的な側面と識別的な側面が乖離すると、触覚に対する感情的な「闘争・逃走」反応が
強くなってしまいます。
触覚に敏感な子どもたち

触覚のアンバランスや触覚との関係の変化を最もよく表しているのが、触覚に敏感だったり、防衛的な子どもです。
ある布地の感触が肌に合わない、または感触のせいで特定の食べ物が食べられないという子、他の子に抱きしめられるのを嫌がったり、他の人の近くにいると不安や敵意を抱いたりする子どももいると聞いたことはありませんか?
これらは、触覚が子どもの交感神経/闘争/逃走反応を引き起こすほんの一例にすぎません。
このような子どもたちが触られたり、防御的な感触のものに触れたりすると、コルチゾールの上昇は、たとえ子どもであっても免疫系(自己免疫疾患やアレルギー)、脂肪沈着(子どもの肥満の増加)、学習・記憶(ADHD、自閉症、うつ病)に悪影響を及ぼすことが認められています。
これが、私がいつも「認知よりも感覚を優先する」と言う理由です。
子どもたちの認知機能(学習、記憶、注意力)を最適に発達させるためには、感覚刺激の土台となるもの、そして感覚刺激と子どもたちの関係が健全であることを確認する必要があるのです。
※このトピックについてもっと知りたい方はA.J.エアーズの感覚統合に関する著書をご覧ください
ベアフットサイエンスで触覚&感情のバランスを取り戻す

感覚統合に関しては、幼少期の発達段階で最適化するべき3つの主要な領域:「前庭覚」「固有受容覚」「触覚」があります。
興味深いことに、これらの領域は人間の運動機能を可能にする主な体性感覚入力システムであり、人間の運動機能はより高度な認知機能や感情認識と結びついています。
裸足は、触覚と固定受容感覚に富み、直立姿勢では身体と地面との唯一の接点。
子どもたちの靴の使用頻度の増加や早期化、足裏の感覚刺激や探求の減少が、ADHD、感覚処理障がい、感情的断絶、子どもたちの攻撃性の増加と関連しているともいわれています。
これらに関連性はあるのでしょうか?
私はそう思っています。しかし、まだ手遅れではありません。
ベアフットサイエンスへの理解から、感覚処理障がいの子どもや大人、近い症状で悩む人々を助けることができるのです。
こうした人たちに裸足の刺激を取り入れるためのオススメの方法をご紹介します。
「短い時間から始め、徐々に時間を長くする」
触覚過敏のある人はすぐに感覚疲労に陥ってしまうので、ゆっくり始めて、その反応を見て徐々に増やしていきます。刺激の量もコントロールできるようにしましょう。
「裸足での刺激を通して安全な感覚を再確認し、(生じるかもしれない)不安と闘う」
不安や懸念について話し合い、セッション中に起こる裸足や感覚的な刺激に対して精神的に準備させてあげましょう。そしてそれがいかにポジティブな連携か、足の下で感じている感触や感覚について説明してあげましょう。

「最初のうちは、鋭く輪郭がはっきりとした質感は避け、より強く広い範囲の刺激から始める」
平らな石から小さな石へ、テクスチャーへの慣れを見ながら段階的に進めるのが良いでしょう。
「裸足の刺激が神経等の感覚刺激にも関わっていることを理解し、日々のトレーニングに足裏への刺激を組み込む」
自律神経系のバランスを保つために、トレーニング中や日常生活で足裏を刺激することをオススメします。迷走神経のトレーニング、横隔膜呼吸、頭蓋仙骨両方のプログラミングにナボソ マットやナボソ インソールを使って足への刺激を取り入れましょう。

