8月 26, 2024 | ブログ, ベアフットサイエンス, 執筆:Dr. Emily Splichal
裸足の感覚刺激を通じた子供の脳、身体意識の発達
幼い子供にとって、世界は色彩、音、さまざまな感触や感覚にあふれています。新生児、乳児、幼児にとっては、一瞬一瞬が学びの場なのです。子供がこの新しい宇宙を探索する最も奥深い方法のひとつは、感覚を通して理解や相互作用の仕方を形作る認知経路を作り出すことです。この時期は、現実は複雑であり感覚刺激に富んでいます。感覚的な探索は、子供の将来の認知、感情、空間認識の発達の基礎を築きます。
感覚刺激のオーケストラの中で、特に「触覚」は子供と世界との関係を築くのに不可欠です。見落とされがちな“触れること”の重要な側面のひとつに、足の裏からの触覚があります。裸足で世界を体験する子供は、脳の発達と身体意識の向上に関連する発達上のアドバンテージがあります。
「裸足になることで足が鍛えられ、体のアライメントが改善されることを示す証拠があります。幼い子供たちは、地面と足の間の障壁をすべて取り払うことで、地面に対する自然な親しみを感じるのです」 – Rae Pica(国際的に有名な児童発達学の著者)
この記事では、子供にとっての裸足の哲学――裸足の子供がどのように認知の発達や空間認識の優位性を体験するのか、裸足の感覚刺激を通して子供が生まれもつ発達的知性をサポートするために親ができることについて取り上げます。
▼Dr.エミリー解説動画 「足の感覚入力について」
裸足の哲学:少なくとも4歳までは裸足にすべき理由
なぜ子供は裸足でいるべきで、なぜ靴を履き始める必要があるのか?私たちは、早くても4歳からだと考えています。これは子供の成長過程と足の発達の複雑さに基づいた私たちの考え方です。
ある研究では、幼少期に靴を履いていた子供と裸足で過ごした子供を比較したところ、靴を履いていた子供は足のアーチが低くなる傾向があることがわかりました。アーチが下がることは足の発達に影響を与え、将来的には運動学習や精神的な健康に長期的な影響を及ぼす可能性があります。
4歳という年齢は重要です。これは、足の骨が形成された後の最初の節目だからです。6ヵ月の時点では、足はまだほとんどが軟骨です。3歳頃になると最後の骨が発達し始めます。そして4歳になると、足の形状、筋肉の張り、アーチの発達がかなり固まります。この形成により、さまざまな動きや感覚の刺激が可能になり、これが全体的な精神運動と認知発達にとって非常に重要です。
最初の4年間で、子供の足は非常に適応性が高くなり、起伏のある場所を歩くのに必要な形をとることができるようになります。そのため、裸足でいることが強調されます。さらに、靴を履いていると筋肉があまり働かず、アーチが十分に発達しないため、このような適応が制限され、バランス、協調性、身体全体の感覚に影響を与える可能性があります。
裸足でよく歩く子供は、自然と足が丈夫になり、柔軟性が増します。これは、足の筋トレのようなものです。さまざまな路面や刺激に触れることで、足裏の感覚神経が脳に貴重なフィードバックを送り、子供の固有受容感覚、姿勢、協調性を向上させます。
裸足で遊ぶことは、その哲学を実践することです。裸足で遊ぶことを奨励することで、子供の身体的な発達だけでなく、認知の上達もサポートします。これは、子供が成長し、発達するための効果的な方法なのです。子供たちの足には、生まれながらにして身体的および感覚的な資質が備わっています。
子供たちが裸足で外遊びをするメリット
子供たちは毎日、さまざまな触覚刺激に出会います。大理石のタイルの冷たさ、芝生の柔らかく不規則な表面、ビーチの砂の温かさやザラザラ感――こうした感覚体験は、感覚運動学習プロセスの一部となり、バランス感覚、運動制御、筋肉の協調性など、さまざまな心理運動スキルの向上に貢献します。
人間の足には約20万もの神経終末が存在しています。足の裏は複雑な感覚パッドであり、常にバランスをとるための情報を脳や身体に伝えています。室内外で裸足で過ごすことにより、子供の足はさまざまな触覚体験や凹凸に触れることになり、足の神経終末から信号が発せられます。これらの感覚入力は足裏の機械受容器によって処理され、子供の脳に速やかに伝えられます。このプロセスにより、子供の身体が物理的環境の中で身体の神経「マップ」が作られやすくなり、健康な身体の発達に貢献します。

子供の発育のために屋内での裸足遊びを充実させる
子供たちは、室内環境でも足裏の感覚刺激のメリットを体験することができます。感覚遊び用に適したマットは、小さな足に優しくマッサージのような体験を提供します。テクスチャーマットは、血行を促進し、足の緊張をほぐし、子供たちが好きな質感を生み出します。感覚遊びができるマットを通して、子供たちは動きの連動性を学び、バランス感覚を発達させ、身体の意識をさらに高めることができます。
親や保育者が感覚遊び用マットを遊びの時間に取り入れることで、子供たちは自分の身体の機能やさまざまな地面との関係を探求する機会が生まれます。これらのマットはプレイルームに最適です。これは、身体と認知の発達をサポートする感覚を育む環境づくりの一環として非常に効果的です。
裸足の子供と脳の発達
子供が裸足で歩くたびに、発達中の脳に新しいフィードバックがもたらされます。足の裏は体験に基づく情報を伝え、集中力、感情の安定、空間認識に影響を与える可能性があります。
自閉症やADHDのような感覚処理障害(SPD)を扱った詳細な研究から、貴重な知見が提供されています。これらの研究は、SPDの子供たちがしばしば感覚過敏を経験し、足や足首の正常な機能に干渉することが多いと示しています。これは、ダイナミックな動きの際のバランスや姿勢制御に影響を与え、足の感覚刺激と脳の発達との間に重要な関係があることを裏付けています。
室内で感覚プレイマットを使って裸足で遊ぶことは、その後の認知機能の向上に大きく貢献する可能性があります。親や保育者は、このような潜在的なメリットを活用するために、子育て計画を少し変えるだけで、子供たちが最良の成長と発達の機会を得られるようにすることができるのです。
では、子供の靴は?
子供の靴は、小さな足を過酷な地形から保護するために不可欠だと思うかもしれません。しかし、ここで一度立ち止まり、靴の潜在的な欠点について考えてみましょう。特に、子供の重要な発育段階で過度に着用すると、足の自然な発育プロセスを妨げる可能性があります。
裸足の状態とは異なり、靴は子供の足の可動域を制限します。靴は、つま先の自然な広がりやアーチの形成を制約し、靴は筋力や足の負荷パターンにも影響を与えます。さらに、子供の自然な歩幅にも影響する可能性があります。靴による締め付けや不自然な形状は、後々、足の構造の障害や足に関連する問題を引き起こす可能性があります。
さらに、足を覆うことは感覚刺激を妨げる可能性があります。裸足は感覚器官としても機能します。周囲の環境や地形に関する大量の情報を脳に送ります。靴はこれらの情報を遮断するため、足の感覚刺激が制限され、脳の環境認識に影響を及ぼす可能性があります。
「Footwear Science」誌に掲載された研究によると、靴を履いて歩いたり走ったりする子供と裸足の子供とでは、歩行サイクルと足底圧分布に大きな違いがあることが発見されました。靴を履いたグループでは、足の動きが制限され、歩行のバランスも悪く、長期的な影響を及ぼす可能性が示唆されました。
子供の適切な身体発達のためには、保護と自由のバランスを取ることが必要かもしれません。安全な環境下で靴を履かずに過ごさせることで、自然な足の動き、アーチの発達、筋力強化を促進し、室内外で裸足で遊ぶことをオススメします。
子供用の靴には確かにその役割があります。特に安全面や特定の社会的規範においては重要です。しかし、足の発達に関する科学においては、靴が基本的な発達段階を妨げるべきではないことを明確に示しています。可能な限り裸足で遊ぶことで、自然な足の動き、アーチの発達、筋力強化を促進し、健康的な成長と発達の基盤を築くことができます。
足病医のススメ: 靴を履かせる適齢期
子供はいつ靴を履き始めるのが正しいでしょうか?医師のアドバイスはさまざまですが、ナボソでは「靴を履かせるのはなるべく遅く」という考えに基づいています。大切なのは、脳と身体の発達に必要な足裏の感覚を十分に刺激することと、安全性を確保することです。
ほとんどの場合、子供が自信をもって屋外や粗い表面で歩いたり走ったりできるようになって初めて、靴の導入を検討すべきです。子ども一人ひとりの発達は違いますから、その年齢も大きく異なるかもしれません。私たちは、3歳から4歳の間が安全な目安だと考えています。個々の発達のペースによっては、もっと遅くなることもあります。この時期では、柔軟で軽量な靴、つま先部分にゆとりがあり、グリップ力のあるゴム底の靴を探しましょう。これは足を保護するためであって、足を制限するためではないことを忘れずに。
この年齢を過ぎたら、靴は自分の判断で使ってください。子供が安全で過ごしやすい環境にいるときは、可能な限り裸足にさせてあげましょう。裸足で遊ぶことのメリットと、足を保護することのバランスをとることが、この成長期には非常に重要です。総合的にバランスがとれたアプローチが子供の成長と健康をサポートします。
子供の靴選びのジレンマに対処する:正しい子育てをするためのヒント
親であれば、小さな子供を裸足で遊ばせることについて心配になるかもしれません。安全性と衛生面は、子供のためにするすべての決断において最優先事項です。そこで、これらの懸念を科学的な裏付けに基づいた視点から解きほぐし、安心できるようにしましょう。
- 足の怪我が心配?
保護者として、子供が裸足で世界を探検する際の足のケガを恐れるのは当然のことです。しかし、研究によれば、裸足で遊ぶことが多い子どもは、足の置き方がより的確で運動能力も高いということが再確認されています。これは、感覚系が大いに鍛えられ、空間認識を正確に把握できるようになり、バランス感覚が向上するため、怪我の可能性が低くなるからです。地形や清潔さといった外的要因に注意を払うことで、さらに安全を確保できます
- 衛生面のハードル
衛生面では、常識が何よりも優先します。室内外の遊び場を清潔に保ち、有害な可能性のあるものを取り除くことが重要です。子どもが裸足で楽しい1日を過ごした後は、感染症や病気を防ぐために足をきちんと洗って乾かしましょう。また、定期的に足の状態をチェックすることで、安全で靴を必要としない環境を作り上げることができます
裸足で過ごすことは、子供の身体的、認知的な発達を助けます。だからこそ、自由に裸足で走り回らせてあげましょう!

まとめ
子供を4歳まで裸足で過ごさせることは、単なる個人的な好みではありません。子どもたちの発達を促す上で、非常に重要なことなのです。このアプローチにより、子供たちは豊かな触覚体験を得ることができ、これが認知発達、バランス、全体的な調整能力を大幅に向上させることが知られています。靴の中に閉じこめられていると、このような重要な側面が抑圧されてしまいます。この重要な感覚体験は、特に形成期において、足の筋肉とアーチの自然な成長を促し、固有感覚と脳の発達を助けます。
裸足での遊びを奨励することは、親や保育者にとって、子どもの包括的な発達を促進する強力な手段となります。安全な環境での裸足の遊びを推奨することで、靴の保護機能を維持しながら、丈夫な子供を育てるために重要な発達の道筋を尊重し、育むことができます。この視点を取り入れることは、最適な発育を促し、子供たちが自信を持って未来に踏み出せるようにするために、取り組むことを意味します。
子供の遊びの時間にテクスチャーを取り入れたいとお考えなら、室内のプレイルームに最適なテクスチャー加工がされたナボソ マットをオススメします。
子どもたちの成長とウェルビーイングを最優先に考えましょう。一歩一歩を大切に。
今日の裸足の一歩が、明日の大きな飛躍につながります!
(参考)
https://www.naboso.com/
https://www.raepica.com/2017/09/barefoot-benefits-brain-development-2018/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5556098/
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fped.2018.00115/full
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19424280903386411
https://www.nature.com/articles/s41598-018-21916-7
12月 1, 2023 | ブログ, ベアフットサイエンス, 執筆:Dr. Emily Splichal
携帯電話、看板、テレビ広告、スマートウォッチなどウェアラブル端末。かつてないほどに、現代の私たちの神経系は絶えず情報によって過剰に刺激されています。この過剰な情報刺激、実は神経系に逆効果をもたらし、日常的に経験する外部のノイズをシャットダウン、つまり”無視すること”につながっているのです。
ここでいう“無視”とは、例えば都会に住んでいて、交通量の多い道路で常に鳴り響くクラクションや道路工事の音に気づかなかったり、騒ぐ子どもをわき目に見ながら仕事をこなしていたり……なんていう場合にも当てはまるでしょう。
人の動きに欠かせないノイズ
さらにもう一歩踏み込めば、これは人間の動きや、歩行中の動的バランスと姿勢コントロールを維持するための神経系の要求にも応用ができます。
人の動きの場合、神経系に伝わるノイズは、振動、関節包の伸張、質感、引っ張りなど固有受容覚から受け取る情報です。この固有受容ノイズは、衝撃力の効率的なローディングとアンローディングのために、筋肉の適切な連動に沿った活性化と安定化までの時間を確保するために欠かせません。

必要不可欠なノイズの入り口、足裏
身体と地面の唯一の接点であることから、多くの“ノイズ”が足裏を介して神経系に入ってきます。この足裏の“ノイズ”が神経系によってチューニングされなかったり、感知されなかったりすると、不正確な運動パターンや安定するまでの時間の遅れ(つまり怪我)が生じます。
そして、人の動きに不可欠なノイズを感じ取ることができない最大の原因のひとつにあげられるのが「靴」です。分厚く、クッション性があり、サポート力のある靴に滑らかなインソールを入れてしまえば、ダイナミックな動きの際にも足裏からの刺激を完全に”無視”してしまいます。
靴のクッションは、足裏の接触時の振動ノイズを吸収し、滑らかなインソールや靴下は、運動中の皮膚の伸縮や感触の知覚を妨げます。また、厚い靴底は筋腱反射の神経である、固有受容覚の反応を足裏から遠ざけ、筋腱反射に変換してしまいます。
足裏をノイズにチューニングする“テクスチャー インソール”
2017年4月、アメリカのナボソ社が小さな神経を刺激して足裏にアプローチするインソールを発売しました。このインソールは、ダイナミックな動きの際に足裏の不可欠なノイズを継続的に与えるようにデザインされています。これは、重心移動や足裏が地面に接地するたびに神経系の自動調整を促すことを目的にしているためです。

特徴であるナボソのテクスチャーがどのように人の動きに影響するか、ナボソ開発者のDr.エミリーが解説しています。
リプシッツら専門家による2015年の研究では、低グレードの振動インソールを使用することで、高齢者の姿勢コントロールが向上され、歩行のばらつきが減少することが明らかになりました。別の研究では、インソールの質感という”ノイズ”の役割と、男性サッカー選手の足首の固有受容覚に及ぼす役割についてさらに調査が行われました。興味深いことに、テクスチャーのあるインソールを使用した被験者では、足関節の位置感覚をより早く感知し、より高い力発揮が報告されました。
毎日の裸足トレーニングでチューニング
足裏を刺激に”チューニング”させるもうひとつの素晴らしい方法は、裸足での刺激を日常的に取り入れること。つまり、靴下を履かない、靴を履かない、柔らかいマットも使わない、ことです。
裸足での刺激を与えることで、足裏の固有受容器がより敏感に反応し、自然な動きとして統合的に機能するようになるでしょう。
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未来の健康を 裸足 でつくる! “ベアフットサイエンス” を取り入れたバイオハック4選
裸足 効果が素晴らしい! 子どもにとっての裸足での刺激のメリット
10月 23, 2023 | ナボソを初めて使う方へ, ブログ, ベアフットサイエンス, 執筆:Dr. Emily Splichal
洗練された外見、自在に動ける身体、フレッシュな若々しさ……いつまでも願ってやまないものです。その一方で、年を重ね、仕事や学校、家族、友人との関係で責任が増えるにつれて、健康やフィットネスに割く時間は減っていきがち。ジムにいる時間を減らしても同じ結果が得られたらいいのに、なんてそれは無理な話と思いきや、それを可能にしてくれる方法があるんです。それが「バイオハック」!
バイオハックとは?
バイオハックとは、文字通り「バイオ(bio)をハック(hack)」する、つまり人間の生理学的状態を最高の状態にもっていくこと、または生物学的メカニズムをより効率的にコントロールする方法を見つけることです。これには睡眠、栄養、メンタルヘルス、体力、回復などの分野が含まれます。
初めて知ったという方、バイオハックという概念をポジティブなことと捉えてくださいね(狂った科学者が研究室にこもって自分の体にコンピューターチップを埋め込んでいるのとは違いますよ)
バイオハックとは、健康のさまざまな側面を活性化させたり、効率を高めたりするアプローチ、健康要素の向上をサポートしてくれる概念です。言うなれば、自分の身体と老化システムを自らコントロールしていくということです。
バイオハックはフィットネスに応用できる?
もちろんできます! 例えば……
- 運動の前や最中にカフェインを摂取するとパフォーマンスが向上する *1
- 運動後に分枝鎖アミノ酸(BCAA:筋肉のエネルギー代謝に関与する3種類の必須アミノ酸 – バリン・ロイシン・イソロイシン)を摂取すると筋肉の回復や筋肥大を促進する
- キネシオロジーテープにより固有感覚を刺激し、筋肉の活性化を高める
(狂った科学者じゃないでしょう?)
*1 カフェインとパフォーマンスとの関係について、国際スポーツ栄養学会(ISSN)の見解 | スポーツ栄養Web【一般社団法人日本スポーツ栄養協会(SNDJ)公式情報サイト】 (sndj-web.jp)
さらに、バイオハックの中でも私が特に気に入っているのが、運動効果をさらに向上させるための ナボソ “ベアフットサイエンス”(裸足 科学)の応用です。

冒頭で言ったように、現代の私たちはとにかく時間が足りない! 裸足のトレーニングを取り入れることで、運動をより効率的に“ハック”でき、フィットネスの目標を早く達成することが可能になります。ベアフットサイエンスを取り入れたバイオハックのトップ4を伝授しましょう。
ナボソのベアフットサイエンス バイオハック4選
1. 裸足でバランス感覚を高めるフットリリース
まず運動を始める際、足裏のトリガーポイント(痛みの引き金となる箇所)のリリースを5分間しましょう。2015年の研究では、5分間のトリガーポイント・リリースが、片足の安定性と姿勢コントロールの即時改善と関連していることが示されています。
このトリガーポイント・リリースを誰かにやってもらうのは効率が悪いので、代わりにひとりでできるニューロボールを使うのがオススメです。中に入っている小さな丸いラウンドで、足裏の内在筋にアプローチもできます。朝・夕方・運動前に5分程度行うと良いでしょう。

2. 裸足と全身振動刺激で神経系をさらに活性化
固有受容の観点から、全身振動刺激は神経系を活性化させる最も効果的な方法のひとつと言われています。足は固有感覚を刺激する入り口でもあるので、裸足で全身振動刺激を、さらに独自のテクノロジー「3次元ハーモニック振動」を用いたプラットフォーム、パワープレートを使ってさらなる刺激を入れることをオススメします。

3. 裸足で足から体幹の一連の動きを行い、体幹の強さを向上させる
体幹。安定性とパワーの核。あらゆるダイナミックな動きやエクササイズにおいて、体幹の強さと安定性は、人体を通して力が生み出されたり、伝わったりする上でとても重要です。
足。安定性の基盤であり、身体と地面の唯一の接点。EBFA(Evidence Based Fitness Academy)が「foot to core sequencing」と呼んでいるように、足から体幹を強化することがより効率的であると研究によって明らかになっています。
4. 足裏の機械受容器でバランスを改善する
姿勢コントロールと動的安定性には、視覚・前庭・関節固有受容器・足裏の皮膚という4つの入力システムの統合が必要です。この4つのシステムの中で、最も重要でありながら見落とされがちなのが足裏の皮膚です。
足裏の皮膚には何千もの小さな機械受容器があり、それらすべてがさまざまな刺激に敏感に反応します。足の裏に入ってくる最も重要な刺激のひとつが振動。私たちは振動を、足が地面を蹴る時にどのくらいの力がかかっているかを知るためだけでなく、動的バランスの維持にも活用しています。
靴を履くと、私たちの神経系は鈍くなります。こうした足への神経刺激の遅れは、一般的には感知しにくいわずかなものですが、体の動かし方が正しくなかったり、関節や筋肉の一部に余計な負担がかかりやすいことへとつながり、その状態が続いた結果、蓄積された痛みから深刻な身体的外傷が生じるのです。
裸足でトレーニングするときは、神経系をバイオハックするために、ナボソのテクスチャーで足裏への刺激を取り入れましょう。上記に挙げたような裸足でエクササイズを行うときは、ナボソ トレーニングマットを活用する絶好のチャンスです!

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裸足 効果が素晴らしい! 子どもにとっての裸足での刺激のメリット
“ベアフットサイエンス”(裸足 科学)ー 裸足と気持ち(感覚)はつながってる?
6月 2, 2023 | ナボソを初めて使う方へ, ブログ, ベアフットサイエンス, 執筆:Dr. Emily Splichal
“新しいアイデア や 感覚 により広がった心は、決して元の大きさに戻ることはない”
– オリバー・ウェンデル・ホームズ
私の大好きな名言のひとつです。
実は私、学びや自己拡大、自己成長に関する名言が大好きです。私たちの学習能力は決して止まることはないという信念を持っていますし、学び続けること、自分の知識や経験への挑戦を続けることは私たちの責任でもあります。

人の体、生理学、病理学に対する理解は常に拡大し続けていますから、健康やウェルネスに携わる専門家にとっては特にそう言えるでしょう。
臨床家としての私のアプローチにおいても、単なる足のバイオメカニクスや足を使ったショートフットエクササイズにとどまらず、脳や呼吸、感情、そして“ベアフットサイエンス(裸足科学)”の神経可塑性(かそせい)まで成長と拡大を絶えず続けてきました。
今回皆さんにお伝えしたいのは、表面や質感、触感を識別する能力が子どもや大人の感情の安定にどう関係しているか、という点です。
“サバイバル” から “洗練” へ

触覚は強力な入力システムです。触覚により、自らの環境を操作したり(例:足元の岩の鋭さを感じるとゆっくり歩くように指示する)、他者を介して自身の環境を操作したり(例:誰かに強く掴まれると襲われる可能性があると警告する)できます。
“進化”という点においては触覚も例外ではありません。触覚は、単に生存のため(脅威かどうか)のものから、より具体的で識別するためのものへと変化してきました。
この高度な触覚処理は手と足の両方に及び、顕微鏡手術のような複雑な作業から点字を読むまでこなすようになりました。
今日、触覚には保護的側面と識別的側面の両方が研究者が「二元論」と呼ぶ関係を通じて存在しています。
この二元論は触覚においてバランスを要します。保護的な側面と識別的な側面が乖離すると、触覚に対する感情的な「闘争・逃走」反応が
強くなってしまいます。
触覚に敏感な子どもたち

触覚のアンバランスや触覚との関係の変化を最もよく表しているのが、触覚に敏感だったり、防衛的な子どもです。
ある布地の感触が肌に合わない、または感触のせいで特定の食べ物が食べられないという子、他の子に抱きしめられるのを嫌がったり、他の人の近くにいると不安や敵意を抱いたりする子どももいると聞いたことはありませんか?
これらは、触覚が子どもの交感神経/闘争/逃走反応を引き起こすほんの一例にすぎません。
このような子どもたちが触られたり、防御的な感触のものに触れたりすると、コルチゾールの上昇は、たとえ子どもであっても免疫系(自己免疫疾患やアレルギー)、脂肪沈着(子どもの肥満の増加)、学習・記憶(ADHD、自閉症、うつ病)に悪影響を及ぼすことが認められています。
これが、私がいつも「認知よりも感覚を優先する」と言う理由です。
子どもたちの認知機能(学習、記憶、注意力)を最適に発達させるためには、感覚刺激の土台となるもの、そして感覚刺激と子どもたちの関係が健全であることを確認する必要があるのです。
※このトピックについてもっと知りたい方はA.J.エアーズの感覚統合に関する著書をご覧ください
ベアフットサイエンスで触覚&感情のバランスを取り戻す

感覚統合に関しては、幼少期の発達段階で最適化するべき3つの主要な領域:「前庭覚」「固有受容覚」「触覚」があります。
興味深いことに、これらの領域は人間の運動機能を可能にする主な体性感覚入力システムであり、人間の運動機能はより高度な認知機能や感情認識と結びついています。
裸足は、触覚と固定受容感覚に富み、直立姿勢では身体と地面との唯一の接点。
子どもたちの靴の使用頻度の増加や早期化、足裏の感覚刺激や探求の減少が、ADHD、感覚処理障がい、感情的断絶、子どもたちの攻撃性の増加と関連しているともいわれています。
これらに関連性はあるのでしょうか?
私はそう思っています。しかし、まだ手遅れではありません。
ベアフットサイエンスへの理解から、感覚処理障がいの子どもや大人、近い症状で悩む人々を助けることができるのです。
こうした人たちに裸足の刺激を取り入れるためのオススメの方法をご紹介します。
「短い時間から始め、徐々に時間を長くする」
触覚過敏のある人はすぐに感覚疲労に陥ってしまうので、ゆっくり始めて、その反応を見て徐々に増やしていきます。刺激の量もコントロールできるようにしましょう。
「裸足での刺激を通して安全な感覚を再確認し、(生じるかもしれない)不安と闘う」
不安や懸念について話し合い、セッション中に起こる裸足や感覚的な刺激に対して精神的に準備させてあげましょう。そしてそれがいかにポジティブな連携か、足の下で感じている感触や感覚について説明してあげましょう。

「最初のうちは、鋭く輪郭がはっきりとした質感は避け、より強く広い範囲の刺激から始める」
平らな石から小さな石へ、テクスチャーへの慣れを見ながら段階的に進めるのが良いでしょう。
「裸足の刺激が神経等の感覚刺激にも関わっていることを理解し、日々のトレーニングに足裏への刺激を組み込む」
自律神経系のバランスを保つために、トレーニング中や日常生活で足裏を刺激することをオススメします。迷走神経のトレーニング、横隔膜呼吸、頭蓋仙骨両方のプログラミングにナボソ マットやナボソ インソールを使って足への刺激を取り入れましょう。


5月 15, 2023 | ナボソを初めて使う方へ, ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
健康やウェルビーイング全般において共通して言えること――それは “最大の効果を与え得るのは日々の継続的な習慣”ということ。私から患者さんへの最大のアドバイスのひとつでもあります。
朝の歯磨きであれ、足裏マッサージであれ、カラダに良いことを毎日継続して行うと、時間の経過とともに大きな蓄積効果が生まれます。
この一貫性の力をさらに理解するためには、老化や病気、ほとんどの怪我がゆっくりと進行するものであることを理解することが重要です。日々のストレスはだんだん蓄積され、最終的にシステムの故障を引き起こすのです。

例えば、足底筋膜炎など軟部組織の損傷は組織に繰り返し過負荷がかかった後に発生します。多くの場合、長時間にわたって足を使い続けることで生じるものなのです。
かかとの痛みや足底筋膜に負荷がかかるのを効果的に予防するには、ライフスタイルの一部ともなる毎日の習慣が重要に。
私が患者さんにオススメしている5つの習慣をご紹介します。
①足裏のリリース
ナボソ ニューロボールを使った足裏のリリース:ほぐし は、日常的に酷使している足裏の筋肉へのストレスを解消し、元の状態に戻す簡単な方法。1日2回、歯を磨く時にでも5分間行うだけで、足底筋膜や腱などへのストレスを軽減するのに効果的です。
➁足裏のアクティベーション
私たちの足の裏には17の小さな筋肉があり、足のサポートや衝撃力の吸収に重要な役割を担っています。自分の足型や履いている靴の種類によってはこうした内在筋が弱っている場合があり、日々の足裏のアクティベーション:機能の活性化が必要です。
足裏の筋肉を目覚めさせるには、裸足で30秒間片足立ちします。さらに活性化させるなら、つま先を地面に押し付けるようにします。
片足2回ずつできればOK!

ナボソ ニューロボールを使った簡単エクササイズもオススメです。
③足裏の感覚刺激
足の裏には何千もの神経が通っています。その感覚を鍛えるには、足裏を刺激する必要があります。
1日30分以上、家の中やナボソマットの上を裸足で歩き回るのがオススメ。

職場や自宅で立っているときに。使いやすい小さめサイズ
ナボソ スタンディングマット
天気がよければぜひ外で! 裸足で歩くことでアーシングの効果も得られます。
④足裏の保湿
カラダの中で足ほど負荷がかかる部位はありません。タコや角質、水虫、靴擦れなど、ストレスの積み重ねは大きなダメージを与えます。足の皮膚は毎日ケアしましょう。
マイルドな角質除去作用がある尿素が入った製品を毎日使用することで、足の保湿だけでなく、皮膚が分厚くなってしまうのを軽減できます。
デイリーの保湿に加え、週に一度、軽石や足裏用やすりを使った角質除去をするのも効果的!

⑤サプリメントの摂取
毎日のサプリメントは、食事だけでは補いきれない栄養やタンパク質補給に最適な方法です。
加齢とともに体内の酵素の生産量が減少するため、一定レベルの健康を維持するためにはサプリメントも有効です。

ドクター開発!
ビタミンAと栄養バランスにこだわったアクティブサプリ
すべてのサプリメント同様、ここでも継続することが重要に。カラダへの影響はゆっくりで、蓄積され、他の健康的な習慣にも関係することが多いからです。私は患者さんに、その効果を評価する前に3ヵ月継続して摂取するようアドバイスしています。
最後にもう一度おさらいです。
- 足裏のリリース
- 足裏のアクティベーション
- 足裏の感覚刺激
- 足裏の保湿
- サプリメントの摂取
今日お話しした健康的な足の習慣はまさに「習慣」。定着するまで最低でも2ヵ月ほどかかるといわれます。
足の健康に一番大事なのは、こうした一つひとつを止めずに続けること、です!
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