5月 28, 2025 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
足の指、まっすぐ伸びていますか?
皆さんの中には、何らかの足の指の拘縮(こうしゅく)を経験している方も少なくないかもしれません。サンダルの季節にこそしばしば気になりますが、足の指の変形は美容の問題以上のものです。
足の指のアライメントと強さは、バランス、踏み込み、加速、ジャンプの動作において、重要な役割を果たします。
足趾が固まり始めると、足裏の接地と安定性が失われます。てこの原理で言えば、つま先が長くまっすぐであればあるほど、より大きな力を発揮することができます。つまり、私たちの足の機能と動きのためにはまっすぐ伸びた指が理想的なのです。
足指が使えていないと、なぜ問題?
普段あまり意識することのない足指ですが、実は体のバランスや姿勢、膝・腰などの不調にも大きく関わっています。
足指1本1本は小さな骨や筋肉、腱、靭帯がつながってできており、それぞれの足指がきちんと機能していることが大切です。
足指を使って地面をしっかり捉えることで、姿勢が安定し、日常生活での動作もスムーズに。また、バランス力が高まることで転倒予防にもつながります。
逆に、足指がうまく使えない状態では、足首の安定性が低下し、その影響が膝や股関節へと広がり、全身の動きにまで悪影響を及ぼします。
さらに、姿勢が安定しないと膝や腰に負荷がかかりやすくなり、腰痛や膝痛を引き起こすリスクも高まってしまうのです。足指がきちんと使えているか、次の5つのセルフチェックで簡単に確認してみましょう。
【足指セルフチェック】
☑︎ 足の指でグー・チョキ・パーができますか?
☑︎ 片足立ちをしたとき、足指がしっかり床を捉えていますか?
☑︎ 歩くとき、足指を使って地面を蹴り出せていますか?
☑︎ 足指を1本ずつ独立して動かすことができますか?
☑︎ 足指の間に指(手の指)がスムーズに入りますか?
これらがスムーズにできない場合、足指がうまく使えていないサインかもしれません。
それでは、足の指の拘縮の最も一般的な種類と、種類に応じたケア・治療法をみていきましょう。
ハンマートゥ(金槌型)、マレットトゥ(木槌型)、クロートゥ(かぎ爪型)
足の指のどの関節が拘縮しているかによって、主に3つのタイプがあります。
足指の第一関節だけが拘縮している場合、これはハンマートゥと呼ばれます。これは、槌指(つちゆび)、屈み指(かがみゆび)ともいわれ、足病医が診る最も一般的な拘縮タイプです。
足指の第二関節だけが拘縮している場合、これはマレットトゥと呼ばれます。これは第2趾が長い人によく見られ、モートン病とも呼ばれます。
足の指の両方の関節が拘縮している場合は、クロートゥと呼ばれます。マレットトゥ、クロートゥともに、足の指の先端にタコができたり、細かい衝撃により足の爪が厚くなったりすることがあります。

柔軟な変形 vs. 硬い変形
足の指の拘縮のタイプがわかったら、次はそれが柔軟な変形なのか、硬い変形なのかを見極める必要があります。
まず、足の指を掴んで、拘縮をまっすぐにしようとしてみます。つま先はまっすぐ引っ張られますが、手を離すとすぐにまた拘縮してしまいますか? もしそうなら、これは柔軟な変形とみなされ、元に戻せる可能性があります。
足の指をまっすぐに引っ張ってみても動かない場合は、硬直性拘縮とされています。これは、足の指の拘縮が進行して関節炎を伴うもので、構造的な変形といえます。残念ながら、硬直性拘縮をまっすぐにするためには、手術しかありません。
伸筋優位 vs. 屈筋優位
足の指の拘縮を正確に治療するためには、最後の分類を行う必要があります。これは、どの筋肉が優位で、そもそも拘縮の原因となっているかに関係するものです。
どのタイプに当てはまるかを判断するには?
まず両足で立ちます。
ショートフットエクササイズ(※下記動画参照)のように、つま先を地面に押し付けます。つま先が収縮しているのがわかりますか?
つま先をリラックスさせ、今度はヒールレイズをします。つま先が収縮しているのがわかりますか?
もしどちらか、または両方に「はい」と答えた方は、屈筋優位の拘縮があります。これは長趾屈筋が小さな内在筋に勝っていることを意味します。
伸筋優位がどうか判断するには、もう一度両足で立ち、今度はスクワットをします。
しゃがむと、足の指が縮んだり、地面から浮いたりしませんか?
足の力を抜いて、今度はゆっくりとその場で足踏みを始めてください。つま先をみましょう。
足を上げるたびに、つま先が上がったり下がったりしていませんか?
最後の2つのテストのいずれかに「はい」と答えが場合、これは伸筋優位の状態です。これは、あなたの長趾伸筋が小指の内在筋に勝っていることを意味します。
タイプ別ケア方法
最も効果的な足指の拘縮治療法は、あなたがどのタイプの変形を患っているかによって決まります。
以下は、足の指のバランスを整えるための簡単なガイドラインです。
タイプ①:柔軟性のある屈筋優位の拘縮
- 脚の裏側の筋肉をほぐす
- 足裏の筋肉をほぐす
- 足指セパレーターをつける
- ショートフットエクササイズで足の内在筋を活性化し連動させる
タイプ②:柔軟性のある伸筋優位の拘縮
- 脚の前面の筋肉をほぐす
- 足の裏の筋肉をほぐす
- 足指セパレーターをつける
- ショートフットエクササイズで足の内在筋を活性化し連動させる
タイプ③:硬いハンマートゥもしくはクロートゥ
- 足指セパレーターをつける
- 足裏の筋肉をほぐす
- ショートフットエクササイズで足の内在筋を活性化し連動させる
足指のケアには、普段から足指を広げたり、動かしたりすることがとても大切です。
足指セパレーターはご自身に合ったものを選んで取り入れてみましょう。ナボソでも、足指の自然な広がりをサポートする足指セパレーター「ナボソ スプレイ」をご用意しています。
▼ナボソ スプレイの使い方解説動画はこちら
重要なことは、どんなケアや治療をするにしても一貫性を保ち、継続すること。
もし自分がどのタイプの変形なのかわからない場合は、整形外科医もしくは足の専門医に足の機能評価をしてもらいましょう。
最も一般的な拘縮タイプとされるハンマートゥは足に合わない靴を履くことで、靴の中で足が前にずれて指が押し付けられ、指が曲がってしまうことが大きな原因のひとつ。特に中高年女性に多く、足の人差し指が親指よりも長い方は注意が必要といわれています。
初期段階では自然に戻ることもありますが、長期間負担がかかり続けると、指が元に戻らなくなり、痛みやタコ、足裏のトラブルを引き起こすことも。
今こそ見直したい私たちの足の健康。日常生活の中で足指を意識し、早めに対策をとることが大切です。
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4月 30, 2025 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 目的にあわせたナボソ活用術, 足・手・からだの健康
足の内在筋、きちんと使えていますか?
足の健康は、日常の歩行や姿勢だけでなく、怪我予防やスポーツパフォーマンスにも大きな影響を与えます。
特に「ショートフットエクササイズ」は、足のアーチ(土踏まず)を支える内在筋を鍛え、足のアライメントを整える効果が期待できるシンプルかつ効果的なエクササイズとして、いま注目を集めています。
この記事では、ショートフットエクササイズとは何か、どんな人におすすめか、そして得られる効果について詳しく解説します。
さらに、ナボソの公式YouTubeで新たに公開されたナボソ創設者・Dr.エミリーによる詳しい解説動画もご紹介します!
足の筋力が衰えるとどうなる?
足の筋力は、足のアライメントを維持し、ダイナミックな動きの際に衝撃力を分散させるために不可欠な要素です。
クッション性の高い靴や、土踏まずを支える硬いインソールのような “アーチサポート” を使い続けると、足の内在筋が弱り、これらの筋肉の脱神経(神経の遮断)を引き起こす可能性があります。

足の筋力が衰えると、足底筋膜炎やアーチの崩れ、疲労骨折など様々な足のトラブルを引き起こし、さらにアーチの崩れは扁平足を、扁平足はセットで起こりやすい外反母趾を誘発します。
その解決策は?
足を強化する方法として、まずひとつは正しい靴を選ぶこと。自分の足の形に合っていて、足の自然な動きを制限しない柔軟性の高い靴がオススメです。理想を言えば、足指が靴の中で自由に広がると良いですね。
さらにもうひとつ。靴を変える以外に毎日できること! ここで「フットエクササイズ」の出番です。
「ショートフットエクササイズ」とは
ショートフットエクササイズとは、足裏の内在筋(特に母趾外転筋)を意識的に使い、足のアーチを引き上げるトレーニングです。
足のエクササイズはたくさんありますが、2016年のGoodingらによる研究では、4種類のフットエクササイズ(ショートフット、トーアウトタップ、ビッグトー(親指)リフト、レッサーディジット(親指以外)リフト)をT2 MRI(縦緩和時間強調画像)で比較し、各エクササイズを実施した後の母趾外転筋、短趾屈筋、小趾外転筋、足底方形筋、短小趾屈筋、母趾内転筋(斜頭)、短母趾屈筋、虫様筋と骨間筋の筋活性化の割合を調べました。
4つのフットエクササイズの中で最も内在筋活性化につながったのはどれでしょう?……正解はショートフットエクササイズでした!(ちなみに、僅差の2番目は「トータップ(つま先)エクササイズ」でした。しかし、このエクササイズはショートフットに比べて少々難しいのが難点です)
特別な道具も必要なく、どこでも手軽にできるこの運動は、リハビリの現場からトップアスリートまで幅広く取り入れられています。
▼プロのラグビーチーム、リコーブラックラムズ東京による、ショートフットエクササイズを実践している様子を紹介した動画はこちら
このエクササイズは、ナボソで人気があるエクササイズのひとつで、重要な役割をもつ母趾外転筋の筋活動を活性化するほか、バランス能力の改善も知られています。(※内側縦アーチの安定と外反母趾の予防に役割を果たす内在筋が母趾外転筋)近年では、日本の理学療法分野でも注目が高まり、転倒予防や足部疾患(外反母趾や扁平足など)へのアプローチにも効果的な運動として紹介されています。
ショートフットエクササイズで期待できる効果
足の内在筋を強化し、アーチ(土踏まず)を支える
足のアライメントを整え、正しい立ち方・歩き方をサポート
バランス能力の向上(転倒リスクの低減)
外反母趾・扁平足の進行予防(サポート的役割)
足首・膝・股関節への負担軽減
スポーツパフォーマンス向上(特にランニングやジャンプ系競技)
リハビリや怪我予防にも有効
「足元から全身を整える」ことの重要性は、多くの研究でも裏付けられています。
特に、足指や足裏の小さな筋肉(内在筋)を鍛えることが、転倒防止や姿勢改善に直結することが近年ますます明らかになっています。
新たに公開!ショートフットエクササイズ徹底解説動画
そしてこの度、リクエスト多数に応えて、Dr.エミリーによる最新のショートフットエクササイズ動画をナボソ公式YouTubeにて公開しました!
🖐 動画ではこんなことがわかります:
・正しいフォームと意識すべきポイント
・よくある間違いと修正方法
・さらに効果を高めるワンポイントアドバイス
etc…
ぜひ一緒に実践して、足元から全身の安定性を高めていきましょう!
▶ 【基本×重要🔥】足から全身を整える!「ショートフットエクササイズ」徹底解説【初心者から上級者まで】
ショートフットエクササイズはこんな方におすすめ!
✔足の健康を維持したい方
✔外反母趾・扁平足が気になる方
✔歩行やバランスの安定感を高めたい方
✔怪我(足首捻挫など)予防を目指す方
✔高齢期に向けた転倒予防をしたい方
✔ランナーやスポーツ愛好家、プロアスリート
年齢や運動レベルに関わらず、高齢者の筋トレ代わりにも、アスリートのパフォーマンス向上にも役立つエクササイズです。
より効果を高めたい方は
さらに、ショートフットエクササイズの効果をサポートするアイテムとして、ナボソでは「スプレイ」や「フットウェッジ」などもご用意しています。
「スプレイ」を詳しく見る
「フットウェッジ」を詳しく見る
足指同士を自然な位置に整え、エクササイズ効果を高めたい方には、ぜひ組み合わせての使用もおすすめです!
▶「ナボソ フットウェッジ」の動画をもっと観る
まとめ
ショートフットエクササイズは、足の内在筋を鍛え、足のアーチを引き上げ、全身の安定性を高めるシンプルかつ効果的な運動です。
「歩行」「転倒防止」「スポーツパフォーマンス向上」など、年齢やレベルを問わず、誰もが取り入れやすいのも大きな魅力。
新しくなったナボソの公式解説動画を参考に、ぜひ今日から始めてみてください!
健康な足づくりは、健康な体づくりへの第一歩です。
(参照)
2週間のショートフットエクササイズが動的姿勢制御と足底表在感覚に及ぼす影響
一般成人における足部運動課題時の筋活動と内側縦アーチの挙動について-母趾外転筋・短趾屈筋・長趾屈筋を被験筋とした検討- | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
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12月 20, 2024 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 目的にあわせたナボソ活用術
「矯正インソール」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
医療器具?
足の機能に役立つもの?
高価な中敷き?
それとも、単なる過剰なアーチサポート?
足の機能に関する議論の中で、特に物議を醸すトピックのひとつが、オーダーメイドの矯正インソールやアーチサポートの“メリット”と“過剰使用”に関する問題です。ナボソの創設者であり足病医であるエミリー・スプリカル博士に話を聞きました。
オーダーメイドの矯正インソールとは何か?
物議を醸しそうなこのトピックに入る前に、まず矯正インソールとは何かから説明しましょう。
Wikipediaによると、“orthotics”(オーソティクス)とは「神経筋および骨格系の構造的および機能的特性に影響を与えるために外部から適用される器具」と定義されています。インソールの場合、その器具が支える対象は「足」です。
すべてのインソールにはいくつかの重要な特徴があり、それらは足や足首のサポートや機械的コントロールを提供するために設計されています。
矯正インソールの主な特徴
- インソールシェル
通常、硬質または半硬質のポリプロピレン製で作られており、インソールの最も重要な部分です。足の形状やアーチの位置に合わせて設計されます。
- ヒールシート
かかとを支える部分で、かかとの骨を包み込む深いヒールシートがあると、後足の動きをよりコントロールすることができます。
- リアフット(後足部)ポスティング
シェルに次いで足の機能や力学に影響を与える重要な部分です。主に「内在型」と「外在型」の2種類があり、どちらも足のコントロールに効果的ですが、外在型はサイズが大きくなるため靴に合わない場合があります。
- トップカバー
インソールの表面部分で、シェルの端からつま先まで覆うか、部分的にカバーするかは利用者の好みによります。
患者さんそれぞれの足の特定の不均衡や痛みの症状に応じて、「内側フランジ」や「モートン反転延長」、「ホエールパッド」などの調整が加えられることがあります。
矯正インソールで治療される一般的な症状
矯正インソールでよく治療される症状のひとつが、「オーバー・プロネーション(過回内)」や「扁平足」です。 スプリカル博士は特に靭帯のゆるみや過可動性の扁平足をもつ人にとって、矯正インソールは有益だと考えています。
その他の症状にも次のようなものがあります:
- 外反母趾
- 足底筋膜炎
- モートン神経腫
- 後脛骨筋腱炎
- アキレス腱炎
矯正インソールは足を強くするのか、弱くするのか?
この点については賛否が分かれますが、研究では、オーダーメイドのインソールやアーチサポートを長期間使用すると、足の小さな筋肉が弱くなる可能性があることも示されています。
この理論を支持するいくつかの最近の研究では、一方でミニマルシューズを履くことで足の筋力が実際に強化されることも分かっています。
裸足でのトレーニングや足の内在筋エクササイズ、ミニマルシューズの支持が高まる中、スプリカル博士は、最適な足の機能を得るために、サポートと自然な動きの両方を組み合わせて使用することを勧めています。
もしオーダーメイドのインソールを使用している場合でも、ナボソのインソールのような製品を用いて足の感覚を強化し、感覚を刺激することを日常的なプログラムに取り入れると良いでしょう。
スプリカル博士はすべての患者に対して、少なくとも1日30分は靴やインソールを外し、足を刺激して目覚めさせることを推奨しています。
足の機能や健康についてさらに詳しく知りたい方は、こちらから!
9月 24, 2024 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
ハイヒールにまつわる足のトラブルとリカバリー
ファッションアイコンとして、また自信とスタイルを際立たせるアイテムとして、その長い歴史とともに愛されているハイヒールですが、その一方でマメや外反母趾、さらにもっと深刻な足底筋膜炎から慢性腰痛までと無数の足の問題を引き起こす可能性があることもまた事実です。私たちは、皆さんが愛用しているヒールを取り上げるつもりはありません。むしろ、ハイヒールが引き起こす一般的な足の問題についてお話しし、どうすれば足を回復させられるかを紹介したいと思います。ハイヒールによるダメージからリカバリーするための究極のガイドになるでしょう。
ハイヒールが足に与える影響を理解する
ハイヒールが足の健康に大きな悪影響を及ぼす可能性について、最も顕著なのは、かかとの不自然な高さによる足の構造や機能への影響です。ハイヒールを履くと体重が再分配され、足の前部分やつま先にほとんどの重さがかかります。この姿勢は足の正常なアライメント(配列)と機能を乱し、軽い不快感から深刻な健康問題に至るまで、多くの問題を引き起こします。
即時の不快感だけでなく、ハイヒールは時間の経過とともに足の解剖学的構造にも影響を及ぼします。前足部への強い圧力は、ハンマートゥ、外反母趾、モートン神経腫などの症状を引き起こす可能性があります。さらに、姿勢が変わると、アキレス腱に負担がかかり、ふくらはぎの筋肉が短縮して痛みが生じ、可動域が制限されることも。足首の関節や靭帯もリスクにさらされ、ハイヒールでの不安定な歩行は捻挫やより深刻な怪我につながる可能性もあります。
そして、それは足だけにとどまりません。ハイヒールは身体全体のアライメントを崩し、膝や腰、背中にも影響を与えます。不自然な前傾姿勢によって腰が過度に反り返り、慢性的な腰痛につながることも。また、ぎこちない姿勢でバランスをとり、体を安定させようとするため、膝にさらなる負担がかかり、長期的に関節の問題につながる可能性もあるのです。
これらの影響を考えると、予防策を講じることが極めて重要なことがおわかりいただけるはず。潜在的なダメージを理解することで、ハイヒールをいつ、どれくらいの頻度で履くかについて、より情報に基づいた選択ができるようになり、ファッションが足や身体全体の健康を犠牲にすることがないようにしましょう。
ハイヒールによる一般的な問題
ヒールを履いているときによく起こる問題のひとつは、摩擦と圧力によって発生する「たこ」や「うおのめ」です。これらの硬く厚くなった皮膚は、見た目が悪いだけでなく痛みを伴うこともあります。
もうひとつ、放置し難いのが外反母趾の発生です。特につま先が狭いハイヒールは、親指を他の指の方に押し込むため、痛みを伴う骨の変形が生じることがあります。さらに、ハンマートゥは、ヒールによってつま先が狭く窮屈な位置に押し込まれることから生じる、指の中間関節が異常に曲がる変形です。
モートン神経腫もまた別の問題です。モートン神経腫は、足の甲、特に第3趾と第4趾の間にできる痛みを伴う疾患です。ハイヒールは、足のこの部分に余分な圧力をかけるため、この症状を悪化させる可能性があります。
さらに、ハイヒールを履いていると、かかとからつま先まで足の裏に沿って走る帯状の組織に炎症が起こる足底筋膜炎になることがあります。この症状は、特に朝や長時間休んだ後に、激しいかかとの痛みを引き起こすことがあります。
最後に、ハイヒールは足だけに影響を与えるわけではないことを知っておくことが大切です。足首の関節やアキレス腱、膝、そして背中にも影響を与えます。ハイヒールによる不自然な足の位置は、膝痛や腰痛といった慢性的な問題を引き起こしかねないのです。
こうした潜在的な問題をまず理解することが、その影響を軽減する第一歩となります。次の章では、ハイヒールが足に与えるダメージから回復するための実践的なフットケア方法を探ります。
ハイヒールを脱いだ直後のフットケア
ハイヒールを履いた長い1日や夜を過ごした足は、ぜひ労わってお手入れしてあげたいもの。すぐにフットケアをすることで、長期的なダメージを防ぎ、不快感を和らげることができます。ここでは、足をハッピーで健康に保つために欠かせないヒントをいくつか紹介します:
1. 足湯・足浴
エプソムソルトやエッセンシャルオイルを数滴入れたぬるま湯に足を浸します。これは炎症を抑え、痛みを和らげ、硬くなった皮膚を柔らかくしてくれます。15分から20分ほど浸かるとさらに効果的です。
2. 優しくマッサージ
足が暖かく、柔らかくなったら、今度は優しくマッサージします。ローションやフットクリームを使って、土踏まずや足の甲などストレスのたまりやすい部分を中心に、足全体をしっかりとやさしく指圧します。ナボソ ニューロボールやニューロスティックをマッサージツールの補助として使うこともできます。血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。
3. 筋肉をストレッチ
高いヒールを履くことで引き締まった筋肉を伸ばすことも重要です。アキレス腱やふくらはぎの筋肉を中心にストレッチを行いましょう。つま先を優しくすねの方に引っ張り、30秒ほどキープします。さらに足指セパレーターであるナボソ スプレイを使うと、ヒールを履いた後にとても気持ちが良いです。
4. 保湿と保護
顔だけでなく足にも保湿が重要です。肌を柔らかく保ち、ひび割れや乾燥を防ぐために、フットクリームや保湿ローションを厚めに塗りましょう。さらにオススメは綿の靴下!保湿した後に履いてひと晩過ごすと、潤いを閉じ込めることができます。
5. 特定の問題をケア
靴擦れによる水ぶくれ、たこ、魚の目を見つけたら、適切に対処しましょう。水ぶくれには保護パッドを使用し、たこは足を浸した後、軽くやすりで削ります。ただし、削りすぎには注意しましょう。
6. 足を高くして休ませる
最後に、足を高くして休ませましょう。クッションや枕の上に足を乗せると、むくみが取れて足が回復しやすくなります。その直後に、裸足で歩いたりサポート力のない靴を履いたりすることで、足に負担をかけないようにしましょう。
ハイヒールを履いた後は、これらのフットケアを心掛けることをオススメします。
ダメージを最小限に抑える正しいハイヒールの選び方
ハイヒールを履くときは、正しい選び方で足へのダメージを最小限に抑えることができます。まず、ヒールの高さを優先しましょう。ヒールの高さは5~7cm以下のものを選びましょう。傾斜が急であればあるほど、足の甲にかかる負担が大きくなり、痛みやケガにつながる可能性があります。
次に、ヒールの形と幅を考えましょう。ヒールが太いほうが安定感があり、細いヒールに比べて体重が均等に分散されます。より安全で快適な履き心地を求めるなら、ブロックヒールやウェッジヒールがおすすめです。
フィット感も大切です。ヒールは常にきつすぎず、ゆるすぎず、正しくフィットするようにしましょう。きつすぎるヒールを履くと、水ぶくれやその他の痛みを引き起こす可能性があり、逆にゆったりした靴を履くと不安定になり、足首の捻挫のリスクが高まります。
ヒールのデザインには、パッドやクッション性のあるインソールが入っているものを選びましょう。ハイヒールの中には、衝撃を吸収し、足への負担を軽減するサポートが内蔵されているものもあります。お気に入りの一足にこうした機能がついていない場合は、高品質の中敷きに投資するのも良いでしょう。
靴の素材と柔軟性も考えておきましょう。レザーやスエードのような柔らかくて柔軟性のある素材は、足の形にフィットし、マメや圧点のリスクを減らすことができます。また、硬すぎる素材は、歩くたびにしなるので避けましょう。
最後に、足指のスペースにも配慮を。つま先のとがった靴はつま先を窮屈にし、外反母趾やハンマートゥなどの問題を引き起こす可能性があります。丸みを帯びた足指スペースやアーモンド型のものを選ぶと、つま先がゆったりと広がります。
このように、十分な情報を得た上で選択することで、足の健康を犠牲にすることなく楽しむことができます。ハイヒールは、ファッション性のほかにも履き心地や寿命も重要です!
Nabosoによる足の回復サポート
ナボソは、足のリカバリーと健康増進を目的とした革新的なソリューションを提供しています。ナボソの製品は、科学的に設計されたテクスチャーを表面に施すことで小さな神経が集まっている足裏を刺激し、筋肉の働きにアプローチします。
ナボソの主要製品のひとつであるニューロボールは、筋膜リリースを促進し、血行を促進するために、圧迫と刺激をユニークに組み合わせたものです。ニューロボールを使用することで、足の筋肉の緊張を和らげ、リラックスさせることができます。
ナボソのインソールも必需品です。この特殊なインソールは、歩くたびに一貫した神経インプットを提供し、より良い姿勢とバランスを促進します。普段履いている靴にこのインソールを入れることで、足のアライメントをサポートし、体の動きや位置を感知するための情報を高めることができます。
さらに、ナボソ スプレイは、つま先の強さと柔軟性を向上させるように設計されています。このシンプルで効果的なアイテムは、自然なつま先の広がりを促し、足本来の強さを発揮できる状態にすることで、つま先の変形や筋肉のアンバランスといったハイヒールの影響をケアするのに役立ちます。
ナボソの製品を足のケアに取り入れることで、単なるアフターケアだけでなく根本的な問題にもアプローチすることができます。
ハイヒールを履く際の健康維持のための”ウェルネスプロトコル“
ハイヒールをよく履く方は、足の健康と美しさを維持するために、専用のウェルネスプロトコルを作ることで、大きな違いを感じることができます。おしゃれを楽しみながらも、足に優しい対策を取ることが可能です。
1. ローテーションがカギ
毎日ハイヒールを履かないようにしましょう。ローファーやスニーカーのようなサポート力のある靴と交互に履くことで、足が回復する時間を確保し、慢性的な問題を防ぐことができます。
2. 適切なヒールを選ぶ
よりサポート力のあるハイヒールを選びましょう。スティレットよりも太めのヒールを選び、クッションやアーチサポートがしっかりしているものを優先してください。ジェルインサートやパッドを使用することで、さらに快適さと保護を追加できます。
3. 毎日のフットエクササイズを取り入れる
足やふくらはぎの筋肉を強化し、ストレッチするためのエクササイズを定期的に行いましょう。つま先のヨガや足首回し、または私たちが推奨する「ショートフット エクササイズ」はプロアスリートも取り入れています。簡単な動きで血行を促進し、緊張を和らげます。
4. ヴィラーサナ(英雄のポーズ)
ヨガのポーズ、ヴィラーサナ(英雄のポーズ)は、ハイヒールによる足や脚の負担を解消するのに効果的です。特に大腿四頭筋を伸ばし、足首の柔軟性を高めるのに役立ちます。
5. 柔軟性にフォーカス
日々のストレッチを習慣にし、特にアキレス腱やふくらはぎの筋肉を重点的に伸ばしましょう。ハイヒールを頻繁に履くことでこれらの部分が硬くなりがちなので、柔軟性を保つためにストレッチが欠かせません。
6. 専門的なアドバイスを受ける
定期的に足の専門家(足病医)に相談し、靴の選び方やフットケアのルーティンについて、個別のアドバイスを受けることもおすすめです。プロフェッショナルの指導があれば、ハイヒールによる足のトラブルを予防・管理するための大きな助けになります。
7. 休息と足の挙上
ハイヒールを履いた後は、足を休ませることが大切です。足を高くしてむくみを軽減し、血行を促進しましょう。履き心地の良い靴に履き替えて、足を休ませるだけでも、長期的な健康に効果があります。
8. ナボソのリカバリー製品を活用
ナボソ製品をリカバリーのルーティンに取り入れましょう。米国特許取得済(US 11,642, 279 B2)のナボソ独自のテクスチャーが付いたインソールやニューロボール、また足指セパレーターのスプレイは、足裏の刺激や指のストレッチによって、リカバリーをサポートするように作られています。
これらのステップを守ることで、ハイヒールを楽しみながらも、足の健康を維持できます。足の健康は全体のウェルビーイングの一部であり、足にふさわしいケアを行うことが重要です。
自信を持って歩けるように、足の健康を最優先に
知識を持って足のケアに取り組むことで、ハイヒールを履きながらも美しく健康的な足を保つことができます。リカバリールーティンを取り入れ、情報に基づいた選択をし、ナボソテクノロジーのような革新的なソリューションを活用することで、お気に入りのヒールを履きながらも、どこでも自信を持って歩くことができます。足の健康を最優先にすることは、単なる快適さの問題ではありません。毎歩を力強く、スタイリッシュに、そして痛みなく歩けるようにするための大切な要素です。
(参考)
Https://Naboso.com
https://www.healthline.com/health/heel-pain#_noHeaderPrefixedContent
https://www.medicalnewstoday.com/articles/265411
https://www.healthshots.com/fitness/staying-fit/5-exercises-to-relieve-foot-pain-after-wearing-high-heels/
https://www.webmd.com/skin-problems-and-treatments/healthy-feet-tips
12月 15, 2023 | ブログ, 執筆:Dr. Emily Splichal, 足・手・からだの健康
モートン病、モートン神経腫とも呼ばれるこの「神経鞘腫」は、足の裏にある瘢痕化した神経組織で、部位では中指と薬指の間が最も多いとされています。この良性神経性腫瘍の原因のひとつは、つま先が細く、ヒールが高い靴を履いたり、外反母趾といった足の骨や筋肉への過剰な圧迫で、炎症を起こすことがあります。
「靴下に小石が入ったような感じ」
聞くと、何でもないことのようにも聞こえるこの感覚。が、神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)/モートン病を経験したことのある人なら、これがただ事ではない状況であることがわかるはず。
一般的な症状:
- 足裏に小石のような塊がある感覚
- 足指の間のしびれや痛み(主に中指~薬指の間)
- つま先立ちや足を踏み出す時の鋭い痛み
症状を引き起こす一般的な要因:
- 足指が広がるのを妨げ、中足骨頭部を圧迫するような足幅の狭い靴
- 外反母趾や、外反母趾に合わない靴
- 内在筋や筋膜の癒着や制限
- 筋膜に負担をかけやすい不安定な足の状態

神経鞘腫に対する伝統的な保存療法には、注射、外部適用装置、理学療法などがありますが、その成功率はさまざま。
そこで、今回は神経鞘腫の痛みを和らげるため、伝統的な治療法以外の方法をご紹介します。
足指をストレッチ
まず、これは驚く人は多くないと思います。足指セパレーターを用いて足指のストレッチを行うことも非常に良いでしょう。
足指セパレーターを継続的に使用すると期待できること:
- 足指と前足部周辺の細かい筋肉をストレッチする
- 足指の自然なアライメントを維持し、足の圧迫を最小限に抑える
- 前足部の循環をサポートする
ナボソの足指セパレーター、スプレイもオススメです。足指セパレーターその名の通り足の指を広げ、前足部のスペースをサポートするため、靴の中で1日中装着することができるのが理想的。そのためには、より幅広で自然な形の靴を履くのがよいでしょう。

リカバリーのためのリリース
体内の循環やリンパの流れを意識してマッサージを行うこともよいでしょう。
毎日のフットリリースの取り入れと意識すること:
- 疲れた足の筋肉のマッサージ
- 神経鞘腫周辺の筋膜組織
- 足の内在筋の循環をサポート
半分に割ったナボソ ニューロボールに両足で乗り、足裏の5ヵ所を刺激するフットリリースもオススメです。その際、ニューロボールの中にある黒い小さなボール「RADマイクロ」を使うのもお忘れなく!
刺激してからの強化
最終ステップは、足の筋肉を活性化し、強化すること。そもそも神経鞘腫になる原因として、足の安定性の低下が考えられます。
不安定な足、過可動性の足、感覚の鈍い足はすべて、足の小指の関節の周囲で起こる反復的なストレスをサポートすることが難しくなっています。そのため、クッション性のないインソールを用いることで足を安定させることをオススメします。
テクスチャーインソールを靴に入れることで期待できること:
- 足の裏の細かい神経、感覚を目覚めさせる
- 感覚入力の向上による内在筋の強化
- 足の循環を最適にサポート
足裏への刺激にはナボソ アクティベーションインソールを活用することもできます。このインソールの最大の特長は、既存のアーチサポートや装具の上から装着できること! ご自身の靴の形に合わせてインソールをカットし、靴に滑り込ませ、そのまま使用できます。

これらは神経鞘腫の症状をサポートする良い方法です。他の治療と並行して行うことができるかどうかは医師にご相談くださいね。